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第1話 ~prologue~
夏の後には秋がくる――
どんなに焦がれても、どんなに手を伸ばしても、冬は決して夏に触れることは叶わない。
そう言って泣き濡れた少年に出会ったのは、或る夏の盆のことだった。
灼熱の太陽の光を和らげることができるのは、秋の涼しい夜風だけ――凍てつく冬のそれではない。
当時十五歳だったあの少年はどうしているだろうか。今年もまた巡り来る盆の時期を目の前にして、彼に出会ったあの頃のことを思い出していた。
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