ブルーロックに戻る日の早朝俺のスマホに兄貴からの着信があったことに気付いた俺は、折返し電話をした。 ツーコール目で電話に出た兄貴は、飄々としていた。 『わざわざ折り返しさせてすまない』 兄貴の声色から謝罪の雰囲気は観じなかったが、ここで喧嘩を起こすほど俺も子供ではなくなった。 「なんだよ、兄貴」 『単刀直入に聞く、お前潔世一が好きか？』 「っ……？！」 いきなり何を伝えるために電話をしてきたのだろうと思ったが、兄貴はその後淡々と話しだした。 『俺は遠回しに聞くことはしないのはお前なら知ってるだろう、凛。俺は潔世一が欲しくなった』 そんなことを聞いてどうするのか、欲しくなったからなんだというのだ。 『お前はいつも俺と同じモノに興味を示す。今回はお前のほうが早いのなら、お前のモノには手を出さない』 確かに俺はいつも兄貴が興味のあるものを好きになっていた。 だから俺が先だったら譲ろう、そう言っているのだろうと気付いた。 「潔世一は俺が殺す」 『……お前はやはり愚弟だ、凛。それが答えだと思っていいんだな？』 「っ！！」 俺はそれ以上は何も言えなかった。 俺は潔世一が好きだ、その簡単な言葉が言えない。 『そうか。なら俺は世一にアプローチをする。俺はお前に伝えたぞ、後からの文句は許さない』 そう一方的に言われっぱなしで通話は終わった。 悩んでいるときに、何故兄貴も追い打ちをかけてくるのか意味が分からなかった俺は休暇を終えてブルーロックに戻った。