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苦手な夏 r18

 [ん…][よかった…佐田さん急にグラッとされちゃって…救急車呼ばなくても大丈夫ですか?] [あー…すまんね、冷たいタオル用意してくれたんだ…ありがとう田中くん] 営業周り中運転を、新人の田中くんにおねがいしていた道中でグラッときたらしく、コンビニで待機してくれていた…。体が…ダルいものすごく、心配して冷感グッズ使ってください課長には連絡しましたから。と気を使わせてしまった田中くんは頼りになるな、一通り自分が回ってきたルートやり方流れもスムーズだし、任せられるか…。  [今年の夏は、やばいすよまじで…] 喋り方はチャラくてたまにイラッとくるが、少ない給料で買わせた冷感グッズニカッと渡してきて首には水で冷えた冷感タオルを首にまで回してくれた。  [顔色やばいすよ先輩…] なんか、やけに顔を見る距離が近いつうか…そりゃイケメンだしな田中くんは。結婚して指輪もして、子供も2歳児だったか、貴重な給料を俺に使ってくれた。 [課長からだ…はい、佐田さんだいぶよく…たぶん強がってらっしゃるかと、ルート周り終わりましたはい僕は大丈夫です佐田さんのご指導がとても丁寧で安心しながら覚えられました。] 更に気を使わせて…久々、人に褒められた感がまた半端ないな…キュンとしてしまった。  近くホテル探しますゆっくりしましょ、課長からオッケーでましたんで。ありがとうと田中くんに返事をしたら、助手席のシートをおとした。  [ないすね…珍しく平日なのに…] [別にホテルじゃなくてもな…] [あ、あぁ、なるほど!]  峠のラブホに着いたものの、慣れてるね…と手付きを突っ込むと[なにいってんすか先輩はどうなんすか??] 女と、指をさす田中くんもノリがよく好きだ。いないよ、と返事をかえすとスーツボタン緩めてシャツをだらけて楽になった。ベッドによこになった [田中くんも礼したいから好きなもの食べで頼んでいいよ、ありがとう気を使わせたな] [い、いえ…先にシャワー浴びてきます。先輩は風呂はいりますか?いれますよ!] [いや大丈夫…ありがとう] [ではちょっと失礼します、汗臭いんで…] バタン…  ハァ、深いため息ついたラブホといっても初めてはいったし、洒落てるよなテレビもでかいし落ちついてるし…ラブホじゃないみたいだ。ビジネスをすこし、豪華にしたかんじだな、田舎には丁度いいか。 やばい、眠たくなってくる…。  田中くんを家に返さないと、駄目だ…。 なんかドリンクを田中くんに頼んでおこう  ゆっくりベッドから降りようとしたらズルガタン倒れてしまった…思った以上にやられてるかも。 [歳だな…]  暫くして、シャワーが終わった音がする…ドライヤーにテレビはついてない、床に横になっている。 [ちょ、先輩…!] ゆさゆさと、体がゆっくりゆさぶられる。 [す…まん] [肩に回して…] とさ…ゆっくりベッドに運んでくれた、上半身ハダカの首にタオルを巻いてる田中くんさすがにズボンは履いていた。ピンポン [あ、ジュース頼んだから飲んで…] [先輩は…!] 田中くんは焦って取りに行った… 先輩が飲んでください 俺はいい…駄目ですよ、救急車呼びますよ。 はは、笑った。  [……な、なんだよ] [い、いや…笑顔かわいいなって] [し、仕事はなメリハリも大事だ。余計な感情いれるとモラハラされるぞ…] [いや、今なんかドクンと……]田中くんが急に見つめてくる。 [あと一時間、部屋好きにつかってくれ] [じゃ、じゃあ……] ドサ…ッ 何故か目の前に田中くんの真剣な顔が、ある首に巻いたタオルがあたりくすぐったい…確かにそうゆう場所だが俺は男だぞ。仰向け状態両手首をつかまれる。少し痛い… [い…っ] [す、すみません…] [ん…っ] タオルがくすぐったい声が漏れてしまった、 ゴクリとつばを呑む田中くんの喉が聞こえた。 相手は5つ離れてる俺は31歳だ、駄目だ場よいに任せたら。離れなきゃ… [せ、んぱい…すみませんとりあえずこのまま] 軽く体重をのせてきた田中くんの体がワイシャツに密着する、相手は男だぞ…ちょっと待て。 [すみません、俺、名前呼ばれるのがすごく凄い嬉しくって…] [早まるな離れて…奥さんが悲しむ] [妻はいま、実家に帰ってるんですよ…少しなら。子供子供で俺なんか買い物パシリか子供相手も嫌われて相手にされずに子供子供…すみません愚痴なっちゃっいました]  駄目だよいくら相手が求めてくれても…相手には家庭があるそもそも男だ、田中くんの下の名前は?少し茶髪でイケメン顔も小さいしなにより声がいい…声優さんくらいの勢いだ…低音ボイス。 [先輩、少しだけ…キスしていいですか] [だ!めだ……早まるな絶対に、すまんね俺が場所を間違えた!帰るぞ] グイグイ力任せに足をベッドからすべらせた、わ!先輩っとまた仰向けに…[場所変更したらいいすか] [は、はぁ…?!]  なんか、いけない夏になりそうだ。 とりあえず、商業車両に戻った。 なにも知らないのに、手を握ってくる田中くんがやけにかわいくみえてくる。笑ったのが間違えたな油断した、家じゃ悪いから俺のアパート来るか。 黙ってビックリした顔でコクコクされたら、ワンコにみえてしかたない 俺のドゴがいいの… [自信がないくせに後輩には優しいし人を見て話すとこです、最近物騒だしなかなか出来ないすよ…] 信号待ちアイドリングがひびく車内、安全運転は人に出る。  社内戻り報告したら、データをパソコン入力中、先輩と…やけにニカニカかわいい子供のようなハニカミ王子か、はやった。 背けてしまった、来たいなら来い。 [はい!] [ただし、手はだすな条件だ] [わかりやした!] 定時に帰宅してる二人きりだった、合鍵で小さい会社のドアの鍵を閉めていっちょ前のスポーツカーに乗り込んだ。 [え!先輩の車は?] [十年前の軽自動車なんぞ、盗むやついるか……いっちょ前に86か、かっこいいなおい]  見るのは好きだ詳しくはないがといったら、好きだったらいいんですよ趣味は。田中は素直だな、奥さんもそこに惚れたんだろ誰にでも変わらず接してるベテランの嫌味なおじさんにもヘコヘコして俺は偉いと思う感心してる。 営業職、小さい会社だが個人会社だから多少ブラックなとこもあるが。 休みはきちんとあるし定時だから選んだ、のがいけなかったのか。  アパートについた、お邪魔します。 なにも知らない名前しか、身長はまぁ田中くんが少し高いくらいか165センチチビの方だろう男からしたら、バタンガチャン慣れた手付きで俺をドアに押し付けた背中がビリビリくる、手首を押さえつけられ靴を脱ぐ前に唇と唇が重なってしまった。  ん!  手を出すなと、一回離れるも力負けしてしまう。 [ジム通ってるんでそれなりに力はありますよ?先輩が誘ったんすから……かわいい顔して] [ん、く…ちょま] [待てない] [い、まなら引きかえ…ん、は] [先輩の今の顔、ノンケでもソソられます…凄いかわいい] [る、せ…!黙れよ] [なら舌だして] [な!まいきな…んくっ] [ん…!] 寂しい人間の穴埋め、巻き添えは勘弁だ。つまらなかったら帰ってもらうつもりだったが。 [ゲロまみれにしてやろか…!] [なめますよ…先輩のなら] [き、つい…!] ピンポン ちょ、丁度いいとこに来客が…!  しゃがまないと、見えてしまうはだけたスーツででられるか…っ。 [おーい、猟いるかー近くによったからな] げ、夏……!?こんな時に…!!  ドア越しに幼馴染み小さい声で、田中くんがニヤとしてスーツを脱ぎ上半身ハダカにした。ま、まさか!余計なことはするな…力負けしてしまう。  幼馴染みの夏もまた駐車場に見知らぬ赤い86がいて、驚いてピンポン鳴らしただろう近所とはいえアポくらいいれてほしいものだな。昔から、唐突に来る。 [友達か?悪いな、漫画返そうと思って忙しいなら宅配ボックスいれとくなーサンキュー]  ガチャンぎぃ… [あほ…!やめとけ夏がきれたら…]  [あん?誰だテメー…夏の友達にしては見たことねぇなおい] [はじめまして、会社に入社してお世話になってます。色々] [はぁん?色々、ねぇ…余計な手出だししてねぇだろうなぁ猟に] はじまったよ〜、短気なんだって夏は!! やばい、低音ボイスがなりひびく……耳が喜ぶが心臓にわるい、大事なとこ蹴られるぞー田中!逃げろ、下に隠れて逃げろパクパク口を動かす、ニヤニヤしてる田中くん。 [はじめまして、そりゃ幼なじみの猟がお世話になってます。ちゃんと仕事してますか、で、あいつは?いるの部屋に] [寝室で、ねてます。気持ちよさそーに…] [な…テメーまさか…スポーツカー乗ってイキッて調子にのって先輩寝取りやがったか!そりゃ、猟は美人顔してるけどよ!!男には興味ねぇぞ!なにした!] [先輩が体調不良ゲロまみれで、俺にかけたんですよ…シャワー借りただけです。] げ、ゲロまみれしてねぇ…完全に遊んでる夏を。田中くん、夏と張り合うなんてなかなかの…。いやいやそうじゃなくて、止めなきゃ。  いま出たら誤解され、てもいいか……!?夏も俺から離れてくれ兄弟みたいにべったりと…駄目なんだよ。 わざとワイシャツを脱ぎ出ようとした、瞬間見えない腕で俺を出るなとおさえこまれた。  [先輩を看病しました、俺もすぐに帰りますんで。ゆっくりさせてあげてください、ストレスと熱中症あると思います。] […わかった、すぐに帰れ。アイツは昔から追い込まれるまでが我慢すっから…俺も帰る] [はい…失礼します。] [いい車だな、猟も好きな車だ、大事にのれよ] [言われなくても…お気をつけて] [世話になったな、ありがとう] [いえ…借りを返しただけです。] (借り…?夏は口は悪いが常識人だ、ちゃんと礼も言える)  バタン… [いい人だな、幼なじみの] [口と目つき悪いが、いいヤツだよ…ちゃんと人を見てる兄弟みたいな腐れ縁だな] [羨ましいな、幼なじみとか俺には居ないから…結婚して友達とあそびにいくとなったら不機嫌なって小さい喧嘩やボソボソ言われたりしてストレスなっちゃって…お互い一回冷静なろってことで奥さん実家に帰ったのはいいけど。よくある話ですよ、付き合い悪いからグループ抜けろってのがなくて嫌味な爺さんは一人いるけど、働いてるときのほうが楽で] [大変だったな…すまん、子供いないから解らないから余計だったら…ごめん] [いや、一言が嬉しいんすよね…優しくされたからキュンときちゃって、前職は散々だったから上司も会社も今の歳で転職恥ずかしいんすけどね…] [気持ちはわかる、指導員があのベテラン爺さんだったからな、ある意味鍛えられたよ…] [あの爺さん胸糞まじめつうか!喋らなすぎ…わざとなの?って思うくらい] [だよなーあの空気たまらないよ…] [共感…着替えてたらシーンだ、年代もあるだろうけどさ。] [はい終わり、愚痴はここまで…珈琲、紅茶どっちがいい?] [先輩がいい]田中くんの気持ちは十分わかった、ニカニカ笑う子供のような後輩にはある意味感謝の気持ちがでる。耳を引っ張った、あたたとまたノリが良い。 なんか可愛く見えたがさすがに部屋着に着替えた、2人で飲みもの飲んでゆっくりした、夕飯か。 [夕飯食べに行きますか?] [あー、ゲーム機買っちゃって余裕ねぇんだ] 情けない先輩だな、後輩からしたら。 [羨ましいなー俺なんかゲーム機購入禁止令すよ??分割なのに、ブーブー、3本体なんか、勝手に売られましたからね〜] [そりゃ、奥さんやり過ぎ…] [でしょー?青春の3ですよ3いま、5やったことなくって、これこれ一緒にやりましょうよ!] [子供だな…コントローラーないぞ] [買います買います泣け無しの諭吉さん] [はは…奥さんに怒られるぞ]  田中くんも簡単に俺の部屋着に着替えた、ぴったりサイズ。 [彼シャツ〜] グイグイ耳を引っ張った、照れないでくださいよ先輩〜。  スポーツカーアイドリング信号待ち、手を握って歩きたいか…乗る前に唐突に田中くん。 [先輩、手…] [なんだ…?] [震えてるなって…怖いすか俺] [いや、奥さんに悪いだろ…こんなの。もしみつか…] [先輩、俺の気持ちは離婚します。になってます…今先輩のことしか考えてません] [子供さんがパパいなかったら寂しいだろ、絶対駄目だ、やっぱり歩いてかえるから帰りなさいこのまま。] [先輩、これから俺のこと先輩のこと知っていきたいのに…!] [駄目だ!家庭持ったらきちんと責任もつべきだ、俺なんかのために人生の棒折るな]  パー…!後ろからクラクション鳴らされた、びくっとしてしまった。 [と、とりあえずコンビニ入りましょう…] [す、すまん…空気悪くしてしまった] [俺が先輩を困らせてるから…] 慌てて発信した赤い車が、近くのコンビニに停まる。  車内で喧嘩がはじまってしまった、あまり怒鳴ると目についたらいけないな、夕方出入り多い時間帯、近所のコンビニとはいえ万が一出くわしたら大問題だ、田中くんを刺激しないように言葉を選ぶ。  [夏が好きなんだよ俺は] […やっぱり……そ、そうだとしても俺は先輩が好きなんです!気持ち伝えてもだめですか、人生の救ってくれた恩人でもあり、好きなんだよ…先輩が……っ…なにしたらわかってくれますか]. […最後に俺をめちゃくちゃに抱いていいから、最後にしろ。普通の上司だ] […っ]  目を鋭く合わせたが、目をそらす田中くんの名前を呼んだ。 [龍神りょうじ…] [せ、んぱい…]  俺の自宅に戻った。

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