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16 手はず通り
興奮の熱はいまだ冷めない、体を動かすとビキビキってちょっとロボットになったかのように全身カクカクと動く。
「ああー気持ち悪い」
どうにかトイレにつき思いっきり吐いた。
「うぇ…………」
後処理なんてされてるはずもなくシャワーをお尻にあて指を入れる、すでに乾燥していたのか水に濡れてボロボロと落ちていく。
「最悪、、、んんんっ」
全部は出し切れなかったがとりあえずさっぱりしたので壁伝いで外に出た。
「はぁはぁ……歩きたくない」
てかミライさんまじでどこ行ったし、なんなら車で迎えにきてほしかった。
11時というのに人はまばらで俺のことを見て見ぬ振りして通り過ぎていく。
まぁそうですよね、こんなやつに関わりたいってやついないよな。
視界がざざっと暗くなりよろけると誰かの温もりを感じた。
「君、大丈夫か?」
と声をかけてきくれたのだ。
「あ、えっとすみません」
甘えることもなくすぐさま離れようとすると
「救急車呼ぶからちょっと待ってて」と言われ
すぐさま「いえ、必要ないです、もう少しで帰れるんで」と言うと
「いや、これはよくない」
んん??
これは新手の引き釣りこむ手段か?
とか考えてしまい、思わず俺は駆けだしていた。
「あっちょっと!!」
男はスマホを取り出し『少年を確保、至急救急車を頼む』と連絡していた。
え? なに、警察とかなにか?
偽善者とかの可能性もありそうだ。
うっすらと聞こえた内容に驚いて躓き顔から地面にダイブした。
痛い、、、。
「うっ………最悪」
お持ち帰りされて体めちゃくちゃにされたほうが安全なんかな。
それとも早くあの方の元に帰ってご褒美もらったほうがいいのか。
どんより雲の空を見上げ俺はどれが正解なのか考えた。
どちらにしても行為は避けられない。
時折ポツポツと雨が降ってきた。
「あー最悪な日だ」
遠くから聞こえるサイレンの音。
しゃがんだ男の膝の上で俺は意識を手放した。
もう、無理。
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『ターゲット接触あり、引き続き監視します』
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目が覚めると白い天井に消毒の匂い、そしてなんともふかふかなベッドの上にいた。
そして俺の面倒を見てくれる白いナースさん…………。
いや違う黒いさきほどの男だ。
「あの………」
「よかった、目が覚めたか具合はどうだ?」
「えっとなんか体がすっきりした感じがします」
「そうか、痛いとこは?」
「ないです」
正直に答えた。
きっと回復させられた後まわされるのであろう。
って考えると憂鬱な気分になった。
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