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17 変わった人

起き上がり話をする。 「君の名前を聞いても?」 「…………リク」 「名字は?」 「……な…い」 「そっか、やはり売り専の子か」 え?って顔をすると 「ああ、こちらの話だ気にしないでくれ」 男の姿をよく見ると警察バッジっぽいのをつけた服だった。 やっぱそういう関係の人? それともコスプレ? 「私は花咲です、短い間ですがよろしく」 「花が咲く」 「はい、そう書きますね」 にこっと笑いながら ボードに俺の状態を書いているのか、それとも報告書を書いているのか男はペンをさらさらと動かしていた。 とても感じのいい人だ。 だけどこういう人にとって変態が多い。 「あのこの後って俺男にまわされる予定ですか?」 と言うと 「まわされるというのはどういう意味ですか?」 「…………あ、ノーマルなんですね、なら大丈夫です」 「そうですか」 それもメモしているのかペンが紙の上を走った。 左腕には点滴を刺されきっと怖くないものが入ってきているのだということを信じたい。 「あと、何個か質問したいんだけどいいかな?」 「はい」 「君の家の住所言えるかな?」 「………生憎ながら孤児でして、家というものはないですが施設ならあります」 「じゃぁそれを教えて」 気が利いた言葉無いのかよ、、、。 まぁ変に心配されたところでどうせ助けてなんてくれないだろうから、、、って女々しいな!! 「えっと矢尾戸町のデッカイとこです、分かります?」 「あそこって商業施設だよね?」 「あ、あそこの地下? 地上にもありますけど」 「なるほど、だから見つからなかったのか」 「正直言ってあそこ入らない方がいいですよ」 「なぜ?」 「変態な男にまわされるだけなんで、あんたみたいな可愛い顔した男は多分餌食になるよ」 と素直に告げると 「それは困った」と優しい顔で言ってきた。 いや、だから「えっと話聞いてました?」 「聞いてたよ」 花咲は立ち上がりこちらに来て頭に手を回した。 そして優しく語りかける 「よく頑張ったね、もう大丈夫だから安心して」 と ??どういうことだ? この人はなにを考えている? 離れようとする手をそっと触れてまだこの懐かしい感覚をずっと感じたいと引き寄せた。 だがそこに来客が来たようで 「失礼します、あっお取り込み中申し訳ございません」 俺は慌てて少し流れた涙を拭った。 「なにか分かったか?」 なにかを探らせていたのか 「報告します、さきほど少年が発した施設を調査したところ、当たりでした」 って早!!! ちょっと待って俺さっきほんの数分前に言ったよね、もしかして当たりは元々つけていたそして現地にいたこの人が報告しにきた、って感じかな? 「ご苦労、ではリク自由になる1歩を踏み出そうか」 …………はい?

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