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第19話

「やっぱ、シンの料理上手い。何でこんなに上手いの?」 「ふふ、ありがと。小さい頃から両親は共働きでいなくてさ、弟が一人いるんだけどオレの作ったもの美味しいって食べてくれて、だからオレも嬉しくてどんどん色んな料理覚えていったんだよね」 「弟、いいな。こんな美味しいもの作ってくれる兄貴がいてさ」 「そお? 潤の家族は?」 「オレの家族?両親と五人兄弟で姉、姉、兄、オレ、妹だよ」 「へー大家族だね」 「そうか?あ、でも人数多いから小さい頃はケーキの取り合いとかでよくケンカしたけど、今は仲良いと思う。たまに連絡くるし一年の夏休みなんか姉貴二人押しかけてきて大変だった」 「そうなんだ。あ、そう言えばオレも今度弟が来るって言ってたんだった」 「そうなの? てか、部屋に貼ってるオレの写真とか片付けけろよな?」 「分かってるよ。ふふ」 最近では、夕食とお風呂が終わるとシンの足の間に座ってたわいもない話をして過ごすことが多くなった。 よりを戻して部屋が隣だと分かってからも毎日腕枕をして抱き合って眠る。だけど、まるで初めて付き合う恋人同士のようにセックスには持ち込めないでいた。 少し寒くなって恋人たちは自然と距離が縮まる季節がやってきた。 ベッドに横になって話していると急にシンが 「あのさ…クリスマスってどうする?」 「ん?クリスマス?一ヶ月先じゃん」 「うん。どうするのかなって…」 「バイトかな…… いつもなら」 「え?」 「いつもならバイトだけど、今年は恋人との初めてのクリスマスだから恋人と過ごす予定だけどシンは?」 一瞬暗い表情になって「え?」と顔を上げたシンが可愛いすぎて抱きしめながらシンは?と聞くと 「俺も恋人と過ごす」 と笑顔で答えた。 プラトニックな付き合いだけど、すごく満たされている。あんなにセックスなしの付き合いはできないって思っていたのに、俺の腕枕で幸せそうに眠るシンをこんなに愛しく思うなんて…抱きしめ直して眠った。 「今度、うちで飲もうって言ってるんだけどケンジがシンも一緒にどうかって」 「え…でも…オレ変なとこ見られてるし…」 「大丈夫だって。いじられることはあるかもしれないけど本気で嫌だったら次からは断ればいいよ」 「そお?じゃあ、行ってみようかな」 「あぁ、きっと楽しいと思うよ」 「なぁなぁ、シンはさ潤のどこが好きなの?」 「えっ?…どこって、、全部かな」 「あららー 乾杯!!」 「っ乾杯///」 「じゅーん、良かったな!こんなイケメンがお前の全部を好きだって言ってくれて」 「そうだな。まぁ、俺も全部好きだけどな」 「もー 二人して惚気すぎ!乾杯!」 「相当楽しかったみたいだな。あんなに酔っ払って」 「オレも初めてだったけど楽しかったよ。ケンジは楽しませるの上手なんだね」 「伊達に合コン行ってないからな。でも、本当によかったのか?シンのベッドに寝かせても」 「うん。ケンジならいいよ」 「写真見て驚くだろうな」 「あ、忘れてた!取りに…」 「もーいいよ。ケンジだし。俺らも寝よ」 「うん」

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