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第9話 感動…… ※

「……こ、いうこと、すんの、初めて」  息をひそめながら、恥ずかしいのも堪えて、頑張って言ったのに、颯はしばらく黙ったまま応えてくんない。ていうか、指が入ったまんまで止まってるし、もうオレ、無理なんだけど……!! 「……慧、めちゃくちゃモテたよな。何人がどうとか、オレに言ってたよな?」 「っ……オレの相手、実際、聞いたことある?」  もう限界で、涙目のまま、颯を見上げると、少し後、「マジか」と呟いてる。  数秒後。 「悪い。もう、入れたい」 「えっ。 ……っあ」  急に指を抜かれて震えたオレの、そこにあてがわれた颯のは、ゆっくりとオレの中に埋め込まれた。  もう、さっきから、そこはあふれ出してるものでめちゃくちゃ濡れてて、指も全然抵抗なくて気持ちよくて。早く、て思ってたから。全然「悪い」じゃなかったんだけど。 「痛くないか?」 「……いた、そに、見える?」 「見えない」  颯の息も、荒い。ニヤ、と笑って、颯はオレに口づけて。  それから、一気に奥まで突いてきた。 「…………ッ……!」  あ、今。もう、イった。  オレのから出たものがオレの腹に飛び散って。  ――――もう、イってるのに、颯が動くと、もう、そのまま何回も真っ白になる。  声、我慢すら、できないまま、乱される。 「……あっ、ンん……っはや、て……っ……きも、ち、い……」 「……っく」  しがみついたら、颯が息をつめる気配がして、それから、中で達したみたい。ぎゅ、と抱き締められる。  初めて、中で、受け入れた熱は、じんわり、広がる。  うわ。……なんか、あったかい。なにこれ。……感動。  あと、颯が。 ヤバいくらい。色っぽく見えて、びっくり。  冷めてて、超クールで、こういうことする時も、涼しい顔してSっぽそう、なんて勝手に思ってた。  こんな風に熱くなるなんて。……密かに、感動。

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