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第24話 家族到着

 まもなく、オレ達の家族が、一緒に現れた。  オレんちは、なんと、三つ上の兄貴まで一緒に来てた。  あれ、いっつも忙しいって言ってる人なのに。  颯の方も、お姉さんぽい人も一緒に来ていた。だから三人ずつ、計六人が、部屋に入ってきて、とっさに立ち上がったオレ達をそれぞれ囲った。    学校が一緒で母同士が顔見知りで話す間柄だったので、病院で会ってからずっと一緒に待ってたらしい。オレ達が一緒に居ることも言ってあったし、会えばそうなるかなと思ってたけど。  父さんには、皆が心配するだろと、散々言われた。母さんは本当にすごく心配していたらしく、オレの顔を見たらほっとしたみたいで、しがみつくように抱き付かれてしまった。  ちなみに今日のオレの服は、うなじは見えない。あえて見えない服を颯に貸してもらった。話す前に見えたら大騒ぎになりそうだからと、一応気を使ったのだけど。ちょっと大きいのが不満だけど。……でも。いい匂いなんだよね。意識すると、ほっこりしてしまう。 「あ、兄貴、今日は暇だったの?」  そう言ったらとっても心外そうに。 「はー? んな訳ないだろが。お前の一大事だから絶対病院に来てとか連絡がきたって、母さんが大騒ぎしてるから仕方ないだろ。マジで人騒がせだぞ、慧。せめて何の病気の可能性かとか、言えよ、こっちだって、心構えってものがあるだろ」  と、言葉を挟む間もない早さで、一息で言われてしまった。 「ごめん……」  はっきり検査で確定してから話そうと思ってたし、内容は言ってなかったから、皆のこの反応はしょうがない。でもだって、言ったらもっと、びっくりしちゃいそうだったから……。  颯の方を見ると、颯の家族たちも、同じようなやりとりをしている。  オレも颯も、お互いの家族と挨拶だけ交わして、とにかく席に着くことになった。  まさかオレがΩになってるなんて微塵も思っていない家族。  嘆いちゃうかな。……でもバリバリαの兄貴が居るし、大丈夫だよな。うん。  でもさらに、運命の番で、しかももう番になっちゃったとか……。なんて言われるだろう。  先生と看護師が向かい側。先生の隣に、なんだかちょっと偉そうな人も二人、今はかしこまって座っている。  結構有名なα一族が二家族。  しかも、話す内容は、オレのαからΩへの変性。  別に先生が悪い訳じゃないけど、多分、相当、伝えるのも大変なんだろうなと、察する雰囲気だった。  もう、ドキドキ。  こっちは、オレと颯が真ん中で並んでて、その横にそれぞれ、父母兄姉、と一列に並んだ。  颯が隣にいるから。  ……なんとか、頑張ろうって、思う。  でも心臓、バクバクでヤバい。

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