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第80話 そして4人

 タカヒロを乗せた車が家に着いた。車の音に、ミトが飛び出してくる。ハジメの首に抱きついてキスした。 「ハジメ、ハジメっ、寂しかったよ。」 「待ってミト。お客さんがいるんだよ。」 凄い美少年がハジメに抱きついている。タカヒロは圧倒された。 「家に入ろう。タカヒロ、どうぞ。」 ミトが 「あ、いらっしゃい。ごめんなさい。 どうぞ中に入ってください。」 ドアを開けてくれた。 「ロジ、一緒に働いている柳貴裕さん。」 「初めまして。オレ、ロジャー先生の大学の考古学教室にいます。発掘調査でハジメさんと一緒に仕事してます。」 「で、ハジメと仲良くなったんだな。 座って。ゆっくりして。疲れたでしょ。」  ロジの前ではしきりに恐縮している。 「タカヒロさん、かっこいいね。学生なんだ。」 ミトが話しかける。タカヒロはミトがあまりにも美少年なので緊張してしまった。  ロジャー先生が素敵なのは前から知っていたが、ミトは綺麗過ぎる。中性的で妖精のようだ。 抱きしめたら溶けてしまうのではないかと心配になる危うさだ。こんな美しい男がいる。しばらく見惚れてしまった。 「タカヒロ、でいいです。さんはいらない。」 (ついて来るんじゃなかった。アウェイ感が半端ないなぁ。) 「タカヒロはお酒飲む? 僕ハジメのためにおつまみ用意したんだよ。 一緒に飲もう。ロジは飲まないから。

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