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第183話 友也来訪

 その日は幸いな事にロジとミトの他に、ハジメとタカヒロ、そして小鉄とジョー、というオールスターが揃っていた。 「ロジ先生、もうミトを解放してやってください。ミトは先生の奴隷じゃないんだ。」 「この子何言ってるかわからないわ。ロジャーの学生?」  あのネットの書き込みをしていた犯人だ、と知って小鉄は顔色を変えた。 ミトが来て 「君が友也君?僕を応援してくれてるんだよね。 ありがとう。」 と手を差し出した。友也がおずおずと握手する。 ジョーが、何かあった時のために身構えた。元暴走族で空手の有段者、ケンカは強い。  友也はミトの手を握って、膝から崩れ落ちた。余りの尊さなのか、涙を流している。 「僕、僕、ミトさんが囚われて困ってるのかと、助けに来たんだ。なんか皆んなで和やかなのが不思議です。」 「面白いね。ロジの事は知ってるんでしょ。 じゃあ一緒にお茶でも飲もう。座って。」 ソファを勧められて座るとミトが紅茶を渡してくれた。美味しい紅茶を一口飲んだ。喉が渇いていた。全部飲んでカップを置く。  ミトが隣に座った。もうそれだけでショック死しそうだ。本物のミトは写真以上に綺麗だ。  友也はもう思考停止状態だ。ぼーっとミトの顔に見惚れている。見つめるのが精一杯だ。  ロジが 「どうした?私がミトを蹂躙している妄想か? もっと早くミトに会いにくれば良かったんだよ。 ファンになってくれてたんだね。」 本当にリアルミトは可愛いけれど、仲良くなれそうな普通の男の子だった。男の子って言うけど年令不詳だ。

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