「白薔薇の千賀子さん、オレたちの写真を撮りたいって言ってたね。 　二人でイチャイチャしてる所かな？」 「きっと、ストーリーとかあって綺麗な写真を撮ってくれるんだろう。」　 「あのアキラくんならいいけど、プロのカメラマンとか来たら嫌だなぁ。緊張するから。」 　ハジメは写真集も悪くない、と思っていた。あの麻布の倶楽部の爺様達に見せてやりたい。エロい写真じゃなくて、純愛だよ、と。 　この頃ハジメはタカが愛しくてたまらない。 　新しく会社を立ち上げる。 「小鉄一人では荷が重いだろう。 美容室の経営もあるし。 サリナに言って國士(クニオ)にも相談しよう。」 　ロジの秘書をやっていたサリナは、今育休中だ。旦那の國士は日本でも有数の大企業の跡取りだから顔が広い。 　全身タトゥーの入ったサリナは性に奔放で、ミトが抱いた初めての女性だ。ミトが女性の身体を知った上で自分はゲイだ、と改めて自覚した、記念すべき女性なのだった。 　その後、國士と結婚してなんと双子を産んだ。育児に忙しそうなサリナだが久しぶりに連絡してみた。 "白薔薇"さんからの提案は、ミトをもっと活躍させて欲しい、という事だった。ミトはあまり乗ってこない。 　タカヒロとハジメのカップルも、人気があるので是非に、というのだ。 「どう思う？ロジ。」 ミトの問いかけにロジが話し出した。