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第8話 バスケ部合同合宿②
木下に見抜かれていた。
副部長以外ってことは部長の姿を見つけたので古川を見ていると
スリーポイントシュートを簡単に決めていた。
きっとあのボールになったら気持ちがいいんだろうな。
なんて考えていると
「君はたしか優等生くん」と多分他のクラスのやつ
「はい、初めまして蛼翼です、翼って気軽に呼んでください」
「OK、翼はバスケしたことある?」
「授業だけですが実は運動音痴でして、バスケなんてドリブルすらできません」
「そうなんだ、ドリブルの達人はやっぱ副部長だけど俺も教えてあげられるよ」
「んー大丈夫です」
「ほーら片付けしろ!!」
「あ、先生だ」
今日の練習は終わりらしい。
なので僕も用具を片付ける。
「あ、蛼悪いんだけどこの体育館の清掃頼むわ」
「え、僕一人ですか?」
「ああ、他はさっきまで夕飯作りしてたんだ、お前はここにいたんだから清掃頼むよ」
とさらっと他のバイトは働いてたみたいなことを聞かされた。
こればかりは仕方ない。
「よっこらせ」とどうにか体育館の清掃が終わった。
「んぐっ……は?」
足が抜けない、足下を見ると綺麗に間に挟まっていた。
「ちょっ!!」
思いっきり引っ張るも全然ダメだ、抜けない。
「てか痛い、スマホは……ポケットにない」
これじゃ助けも呼べないし、このまま朝を迎えるのかな。つらっ。
ガラガラと扉が動く音が聞こえた。
ああ、鍵かけられませんようにと願っていたら
「翼?」
とこちらにきたのは青山だった。
「ああ、青山……助けてぇぇ」
なんともまぬけな声で助けを求めた。
「どした、大丈夫か?」
「足が挟まっちゃって………」
「どれ」
といい僕の足下に
「こういう時は小さくて良かったって思うの心底むかつく」
「ははっ」
って待って!! この状況………。
上目遣いでもされたら僕やばいかも。
「んーなんだこれ、どうなってんだ?」
やばい、どうしよっこの状況最高に良い。
「翼さ、足をつま先立ちできる?」
とこちらに向いた。
「あっ……んっこっちね」
「うん」
ダメだ、きゅんきゅんする可愛い、このまま抱きしめたい。
「あっとれた」
「ありがとう」
「もうこれで大丈夫だな」
にひっとした笑顔を向けられた。
抑えろ、抑えろ翼!!
「怪我とか大丈夫か?」
「あ、うん、ごめんね、ありがとう」
「夕飯の時間になってほぼ食い終わった時に先生が探し出してたからさ」
「そうだったんだ、僕も身近にスマホあれば良かったんだけど」
といい壇上に置いてあったスマホを見ると案の定先生から着信があった。
「俺も途中で出てきたから一緒に夕飯食べようぜ」
「あ、うん」
なんか変態男よりも得した気分だ。
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