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実らなかった初恋

退院してから何度目かの定期受診の日ー 俺、佐久間由宇(さくまゆう)は失恋した。 事故後後遺症って言うやつで排尿障害が起き、診察していく中で前立腺に炎症が見つかり 高血圧、高熱になったり、嘔吐をきっかけに誤嚥性肺炎になってドタバタな約4ヶ月を俺はそこで過ごした。 未分化少年特殊治療棟(みぶんかしょうねんとくしゅちりょうとう)って言うらしい 本当に特殊でちんちんに変な棒を突っ込まれたり、乳首をいじられたり、おしりに指を突っ込まれたり、治療のためにっていかがわしいものを挿れられたり、人によって様々だけどみんなちょっとエッチな治療を受けてた。 そんな最悪な入院生活だったけど悪いことばっかじゃなくて友達も2人できた。 1人はふたつ年上の御崎臣(みさきおみ)。もう1人は5つ下の望月真白(もちづきましろ) いずれも今でも交流がある。 特に臣とは呑み交わす仲で、今は数ヶ月前から再入院しちゃってるけどよく会っている。 主治医の瀬谷朱雀(せたにすざく)先生はほんわかしててでもたまに鬼のようで、ほんのりタバコの匂いがする優しい先生 俺の初恋… 医大を無事に卒業したら告白するって心に決めてたんだけどまさかのことが起きた。 外来治療を受けに来たその日、俺は見てはいけないものを見てしまった。 あまりのことにフリーズして動けず、ただただ涙だけがあふれた。 「瀬谷先生おめでとうございます」 「もう性別は分かっているんですか?」 「新婚旅行には?」 次々飛び交うキラキラした言葉…主治医がどうも授かり婚をしたらしい、、 ショックが隠せなくてその日の診察はそのまま受けずに逃げてきた。 悲しい…くやしい…いつの間に? 由宇はそのまま、再入院中の臣の病室へと駆けずりこんだ

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