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約束 2
宵から差し出された小指に理央は自分の小指を絡め
「うん。約束する!ゆびきりげんまん」
「はい、うそついたらはりせんぼんのーます」
「ゆびきった!」
「うん、理央くんいい子です。これからも明にぃのことをよろしくお願いしますね?」
「え…そんな…ぼくなんかに」
「なんかって言っちゃダメですよ?自分のことは褒めてあげなきゃ」
「宵さん…いい人」
「まだまだです。先輩には毎日怒られてますしね。泣いてばかりですよ。でも、毎日頑張って出勤して実継さんによしよしって褒めてもらうんです」
「宵さん、実継さんが大好きなんだ?」
「はい、大好きです」
満面の笑みを浮かべて返事をする宵を見て明は頷き、実継は照れて視線を泳がせた
「宵…あんまり可愛い顔をしてくれるな。遊園地中止にして家に連れ去りたくなる」
「やぁです!今日のためにお仕事頑張ったんですからちゃんとデートに付き合って下さい」
「分かった。冗談だよ、宵。怒るな」
「あんまり冗談言うと、ベロを引っこ抜いちゃいますよ?」
「宵が言うと本当にやりそうだな、それ」
「さすが、宵は強いね」
「明さん、宵さんかっこいいね!」
「そりゃ俺の弟だから当然かな」
「明さんってブラコン?知らなかった」
「…う。ブラコン…そうかもな。いくつになっても可愛いく見えるから」
「いいな。ボクも明さんの弟がよかった!」
「さすがに弟とは最後まではできないよ。それでもいい?」
「それはやだ」
子どものようにむーと口を膨らませて理央は抗議した。
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