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おゆるし

「うわぁぁんっっ」 「宵さん…っ可哀想にな。つらいな?宵さんってこんなに感情むき出しで泣くんやな?」 「許して…くれない…です…っ…もういたずら…しない…からぁっ!ごめんなさいぃ」 見たことのないような宵の取り乱し方に雫はやはり気になり、実継を制止し 「実継さん…っ。やっぱり…」 「優しいな?雫。けど、怖かったろ?こんなにすぐ許していいのか?」 「怖かった。だって目が覚めたら…2人の指が入ってるんだもん」 「俺も驚いた。いじめにしか見えんくて腹が立った。宵、もう本当にしないか?」 「はい。ごめんなさい…っ」 「雫は他に言いたいことないか?」 「えと…じゃあ触るなら触りたいって言ってほしかったです。そしたらびっくりせずに受け入れてたと思います」 「うん。そ…だよね?ごめんね?驚いたよね…びっくりさせて…ごめん、雫」 「大丈夫です。でももうちょっとだけ実継さん貸してくださいね?俺も気持ちよくなりたいです」 「ちゃんと返してくれる?」 「もちろんです」 「分かった」 「よかったな?宵。雫が優しくて。おまえらに負けたよ。ほら、こっちに来な」 「え…いいの?」 「そばにおいで」 「ううっさねつぐさぁぁん!ぁあっ」 「雅宗も正座崩してこっちに来ていい」 「うんっっ」 ひしっとくっついてくる2人に実継は苦笑し、雫は2人をほほえみながら見上げ 「たく…おまえらは…。かわいいな」 「同感です」 感情の抑えきれない宵はしばらく実継の腕にすがって泣いた

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