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第2話 なぜか飲み会の幹事になりそうです

それは数時間前のこと 僕はカタカタとひたすら会議書類を作っていたところだ。 「おじゃましまーす」とやたら元気な声で陽気はきた。 あれは営業だ。 きっと品物を変更するからちゃちゃっと書類を作れやなんだかんだの依頼だろう。 「えっと発売された『みかん大福(凍っちゃった)』がなんと会社トップになりました~~、んで、『いちご大福(凍っちゃったパート2)』も売れ行きがみかんを追い抜くスピードで売れてます、なので部長が全員で飲み会に行こうと言ってくれました!! ってことで事務今日行ける人ピックアップしてくれない?」 なるほど、僕には関係ない話だ。 「若林行く?」 と同僚が声をかけてきたが絶望した顔で返事をした。 「行かない」 「だよな」当たり前のように同僚が言ってきたので分かってるなら聞くなよと思ってしまった。 なんならパソコンの陰になりたい気分だ。 それを報告しにいくと 「あーっとこっちで確認したんだけど、今年飲み会に1回も参加してない、若林って人は絶対参加みたい、こない場合はなんらかのペナルティーが発生するとかなんとか、若林ってやついる?」 事務全員がこっちを見た。 僕は聞いてなかったから(シャットダウン)顔をあげるとみんなの目線がこっちにきていたことにビビった。 「おい、お前営業の人に呼ばれてるぞ」 「え、なに、書類の依頼?」 「バッカ」と同僚に怒られ営業の人、立川さんの目の前に立った。 「ああ、君か君は…なんかいつもお世話になってる気がするな」 「あ、はい」 立川さんは営業の中でもやる気に満ちあふれてる人でよく会議も一緒になる、しかしこの人は僕のことを認識していないらしい。 ということは僕がこの飲み会に出席しなくても逃げられるのではないか説が頭をよぎった。 「えっと君には部長からの命令で幹事補欠1に指名されました」 肩をバンバン叩かれた。 つまりだ、これは逃げられないということを感じた。 「え、あ、っと僕は今日ちょっと出席できないです」 「えーでもペナルティーあるって言ってたよ」 「ペナルティー……ってなんですか?」 「それは知らない、なんなら直接部長に聞きに行って」 「……あ、はい…」 事務から出てトイレに駆け込んだ。 ど…どうしよう………。 無理だ、てか今日ってやっと金曜だよ、金曜日の次って何曜日か知ってる? 土曜日なんだよ、しかも休み……お布団が恋しい。 トイレに数名入ってきそうだったので個室に隠れた。 「いやぁーまさかあのへたれ若林が幹事になるとはな」 「あの時の若林の顔まじ笑える」 「てか立川さんさ幹事補欠1に指名するって言ってたじゃん、あれってどういう意味なんだろうな」 補欠1? そういえばそんなことなんか言ってたな。 「とりあえず飲みに来てくれればペナルティー無しにしてやるよーー的なやつじゃね?」 「てか賭ける?」 「若林が飲みに来るか?」 「そう」 おおお、人で遊ぶな。 「んじゃ来たら若林に…」 「俺は1000円にしとくわ」 「まじかよ、じゃぁ自販機でなんか買う」 「俺は昼食1回おごる」 「お前、それ同伴してくれないかもよ」 「たしかにww まぁそれならそれで」 よし、個室から出てやろう。 ガチャリと開けた。

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