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第3話 未遂であってほしい

うわーお楽しくなさそうな顔が鏡に映っていた。 僕はすかさず1000円くれる同僚に手を出した。 「なんだよ」 「もしかして話聞いてた?」 「聞いてた」 「ちゃんと飲み会にくるを確信しないとダメだからな!!」 「分かった」 といいトイレを後にした。 事務室に戻ると近くの席の人が 「幹事の話があるからって立川さんから伝言もらってるよ、帰り支度して営業部のとこ行ってね」 時計を見ると16時半だった。 僕は悟った、早く帰れると とはいかず、カバンを持って営業部へ向かった。 「あ、やっときた」 「お疲れ様です」 「んと店は決まってるんだけどちょっといろいろ準備しなきゃだから、っと折り紙折れる?」 「………多分」 「んじゃこれこっち来て」 と言われついていくと数人部屋にいた。 「どうも」 「あ、補欠くんだ、手伝ってくれるの助かる」 知らない人に声をかけられた。 挨拶すべき迷うが立川さんに 「これひとつ折って、また折って全部切って輪っかにして永遠と繋げて」 「あ、はい」 所謂あれだ、パーティーとかでよく見るやつ、名前忘れたけど 「ここ17時半に出るんであと1時間で作業お願いしますね」 「うぃい」 1時間これを繰り返すのか、果たして何mできるのか。 …………。 1時間たち会場となる飲み屋へ移動した。 結構な人数を予約していたようで、というかよく予約できたな金曜日なのに。 そこは営業の腕ということか、すごいすごい。 部屋をさっき作ったやつで飾りとりあえずOKらしい。 「えっと君には接待中心にしてもらうから」 ん? 僕はそのための役なのか? つまりお酌をしろと、地味に端っこでご飯を摘まむのを禁止ということか。 へたれの僕にそれが務まるのか…………。 飲み会→宴会が始まり 僕は気がつく、なぜここにいるのかを……。 「やぁやっと目が覚めたかい?」 ……んーーーどういうこと? ベッドに僕は寝ているそして横には眩しいほどのキラキラと輝く誰か!!! 声からして多分……言いたくないけど部長な気がする。 そしてなにより違和感があるのが僕は裸ということだ。 ……えーーーーーーっと 考えたくはないけど僕は罪を犯してしまったのか!? 「君は面白いな、終始甘い声で鳴いていたよ」 ぶっ……。 それはつまり……未遂ではなく……。 顔をロボットのように小刻みに震わせ輝く顔いや、顔と認識できない頭だと思う方面を見た。 眩しくて見つめられなかったので遠く離れた天井を見た。 「君は私がどのように見えているのか気になるな……」 …………。長ネギ、いや今日はもうシャチホコだ。 キラキラすぎる。 ギシっとベッドが軋み鍛え上げられた肉体美が目の前に写った。 僕の顔にそっと手をあててこう呟いてきた。 「君の瞳に私が写る頃になったらさぞ独り占めできそうだ」 ちーん、きっと部長はベッドに言ったんだ、僕にじゃない!! 僕になんてありえない!!!!! しかし顎を持ち上げられキラキラの顔は近づくそして僕はキラキラにキスされ現実へと引き戻された。 「口開けてほしいな」とおねだりされるも頑なに閉じた。 酔っ払っていた僕はどんな対応をしたのか知らない、知りたくもないが。 舌が唇の上をなぞり悪夢を誘われた。 目をぎゅっとつむり、これは夢、これは夢と願ったのだった。

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