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 先生の名前を出した時の父さんたちの反応は裏の性格(こっち)を知っていたのもあったんだろう。  素の雰囲気は最悪で、できるならこんな人に懐いていたなんて過去は消し去ってしまいたい。 「最近はシてねぇだろ?」 「は?」  ニヤリと笑われてもう我慢できずに睨んでしまった。 「健太先生、一時期は色疲れしていたり、動くのも辛そうだったけど……ケンカでもしてたか?触らせてもらえてない?」 「何言って……」  それでも先生は余裕そうに笑っていて怒りを必死に抑える。 「男を喜ばせる抱き方なんて知らねぇだろ?女と違って男は演技できねぇからな?」  さすがに我慢できなくなってきてテーブルを叩いて立ち上がった。 「座れ」  なのに先生は動揺することもなく鋭い目をこっちに向けてきてからパッと表情を変えて周りのテーブルに頭を下げる。 「落ち着けよ」  ゆったり座り直した先生はフッと笑って目の前のカップを端に寄せた。  腕をテーブルに付いてじっとこっちを見てくる。 「お前らの絆はどの程度のモンかねぇ?」 「あ?」 「俺も月曜からは本気でいくな?」  フザけるな、と殴ってやりたい。  でも、さっき注目を集めてしまった手前、俺はテーブルの下で拳を握って耐えた。  いくら先生が本気でいこうと……今、先輩と付き合っているのは俺だ。  あれ?“お試し”……は外れていただろうか?  一瞬不安になったそれを見透かすような先生の目がこっちを見つめる。  大丈夫だ。  俺はいつも言っているし、先輩だって最近は甘えてくれることだってある。

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