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「マジで?」
「一緒に開けます?」
「うんっ!」
二人で並んでベッドに座って小さな箱を開ける。
出てきたのはどっちも細いシンプルなシルバーのリング。
「貸して下さい」
先輩のくれた箱は俺の腿に乗せて先輩からリングを受け取る。
そして、先輩の左手を取ってその指にゆっくりはめた。
「これからもずっと、俺と一緒に居て下さい」
目を潤ませた先輩は何度も頷いて左手にはまったリングを見つめる。
こっちを見て泣きそうな顔のまま笑うと、俺の足の上にあるリングにも手を伸ばした。
「タクも手、貸して」
言われて俺も左手を出す。
「俺もあの素敵な家族の一員として、これからもずっと一緒に居させて下さい」
「もちろんですよっ!!」
ギュッと抱き締めると、そのまま引き寄せられるようにキスをした。
ピッタリと合わせるように何度も角度を変えて吸い付く。
長いことそうやってただお互いの唇を合わせていると、パッと先輩が腕を押して離れた。
「え?どうしました?」
少し寂しさと不安を滲ませると、
「いや、これって……皺になるか?」
心配そうに先輩が首を傾げる。
「……じゃあ、脱ぎましょうか」
立ち上がってそのジャケットのボタンを外すと、素直に脱いだ先輩。
「もう我慢しなくていいですもんね?」
俺が出かける前に結んだネクタイを解くと、先輩は頷いて俺のジャケットも脱がせてきた。
丁寧にお互いのスーツをハンガーに掛けて笑い合う。
「……シよ」
俺の先輩がかわい過ぎるっ!!
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