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第55話
「ちょっとだけ腰上げて」
「ん」
結心によって下履を脱がされ、お腹を撫でられながらキスを繰り返す。
胸に触れた手が時折乳首を軽く撫でて、壮五は思わず「結心っ」と彼の名前を呼ぶ。
「ん〜?」
「乳首、やだ」
「なんでよ。気持ち良くなるよ」
「だから……服に擦れたりして、そうなったら嫌なんだって」
「絆創膏貼りなよぉ。俺が毎日貼ったげるよ」
「それで『いいよ』とはならん」
そう伝えたのに、彼はスルスルと胸の方まで上がってきて、乳首をペロッと舐めて赤い舌を見せた。
「っん、おい!」
「ほらぁ、良かったんじゃん」
「……違う」
「ね、一回だけ。今日だけ、ね?」
「あー、もう……わかったよ……」
きゅるんとした目に見つめられ、壮五は負けた。
たったの一回なら、自分が想像している嫌なことにはならないだろうと思って。
結心はパァっと目を輝かせると、水を得た魚のように乳首を弄り出した。
「っぅ、結心、」
「壮ちゃんも自分で触ってみる?」
「やだ」
「あらら」
ちゅっと乳首を吸われ、甘噛みされる。
腰がずくんと疼き、思わず息を詰めた壮五を見て、結心は目尻を細め柔く微笑んだ。
そうして緩く反応している壮五のペニスに触れ、優しくそれを扱く。
「ぁ、」
「壮ちゃん、キスしよ」
「ぁ、ん、んぅ……」
壮五は段々とトロトロに思考が溶かされていくのを感じて、縋るように結心の首に腕を回し、彼をぐっと引き寄せた。
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