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両片思い

俺には、一人の親友がいる。 綺麗な顔立ちをしているからか、女の子からの人気も高い。 授業中寝てるくらいナマケモノの癖に、俺との約束は絶対に忘れない。 今日も今日とて親友は、女の子から校舎裏に呼び出されている。 「ごめん俺、好きな人いっからさ…。」 その一言を聞いた後、俺は不安と安心を同時に抱いて教室に戻る。 俺には、親友がいる。 男なのに女よりも綺麗なサラサラの髪の毛と長いまつげ。 授業中寝たふりするとずっと俺のこと見つめて、約束を忘れないでいると嬉しそうにニヤニヤしやがる。 ずっとコイツの隣にいたくて、俺は知らない奴らからの告白を断る。 「好きな人って、誰なの?」 「え~、今頃急いで教室戻って俺のこと待ってる奴。」 きっと俺の気持ちなんざ気付いてなんかないが、まだ教えてやんねぇ。

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