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何気ない特別な時間
とあるカフェにて、男子学生が二人窓辺の席でならんで仲良く同じスマホで動画を見ていた。
端から見るとそう見えるだけなのだろう。
しかし彼らは席の下で内密なことをしていた。
手と手を重ね、指を絡めていたのだ。
誰にも見られることは無くとも、誰かに見られるかもしれないと言う謎めいた高揚感が二人を包んだ。
ふと、片方が隣を見つめる。
「なんだよ、シュン。」
シュンと呼ばれた学生はただ微笑んで見つめる。
「そんな近くで見つめられると恥ずかしいんだけど。」
「ん~?トモキが可愛くてつい。」
そう言うとシュンは頬にキスをする。
カフェという公共の場でまさかそんなことをすると思ってもみなかったトモキは驚く。
「バッカ!誰か見てたらどうすんだよ。」
「そんなの見せつけとけばいいよ。」
「…お前のそう言うとこズルい。」
「お前の可愛さには負けるよ。」
秘密のデートは二人の心を満たす。
ただ好きな人が隣にいて、手を繋いで肩を寄せ会う。
そんな時間を二人はどこにでもあるようなカフェで過ごしているのだ。
それでも二人にとっては特別な時間だ。
きっとこの特別な時間はいつまでも続くだろう。
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