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6(終)
「ぁ……あ」
何度目かの絶頂を迎えてぐったりと横たわるだけになった犬神から、ようやく宮内のモノが引抜かれた。
散々貫かれた穴は透明な液と白濁に濡れてぽっかりと口を開け、埋めるものを待っているかのようにひくついている。
「仁郎のお尻……こんなになって、まだ物欲しそうにヒクヒクしてる」
宮内は犬神の太腿を伝う白い体液を二本の指で掬って後孔に挿し込んだ。
犬神の下半身は透明な液体と白濁にまみれ、とても卑猥に映る。自分が汚したものだと思うと宮内はゾクゾクした。
中でぐいと指を曲げると押し返す感触があり、犬神が瞳を潤ませる。
「ッ、ぬぽぬぽしないでぇ……。また、イっちゃう……ぁ」
弱々しく呟き、宮内の指を美味しそうに尻に咥えて、犬神がまた体をビクビクとさせる。さんざん掻き回されたアナルは、完全に性器として出来上がっていて、何をしてもイってしまうようだ。
呼吸もままならず開きっぱなしの口は必死になって空気を求めている。
もう少し、犬神の中を触っていたかったが、さすがにこれ以上は辛そうだったので宮内は指を引き抜いた。
意識もはっきりせず息も絶え絶えになっている犬神の髪を撫で、横から軽く唇を重ね合わせる。
「可愛いよ仁郎。後で綺麗にしようね。今は休んでいいよ」
「…………ん」
囁くような返事をして、犬神はそのまま瞳を閉じた。
――翌朝――
犬神家の台所には二人分の朝食を作る宮内の姿があった。
あの後、すっかり目が覚めてしまった宮内は犬神の処置を済ませて、彼を自室の布団に運び、居間の後片付けをしていたのだ。
仁郎はそろそろ起きてくる頃だろうか。真夜中に、あれほど無理をさせてしまったので、今日は立てないかもしれない。
そんなことを考えて宮内が食卓に茶碗を並べていると、廊下を緩慢に歩いてくる足音に続いて、磨り硝子の引き戸をガラガラと開ける音が聞こた。
「おはよ」
「おはよう、仁郎」
そこには引き戸を掴み、それを支えにして立っている怠そうな表情の犬神いた。宮内がどうにかして着替えさせたパジャマは、胸元がはだけたままだ。心なしか寝癖もいつもよりひどい気がする。
「大丈夫? 先にシャワーでも浴びておいでよ。昨日散々汚しちゃったし。後で俺も入るよ」
「……うん、そうする」
味噌汁の甘い香りが漂う中、溶き卵の入った碗を片手に微笑む宮内。
犬神はその顔に昨夜の情事を思い出して、少しだけ体が熱くなるのを感じた。
(おわり)
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