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「動くよ」  精一杯に優しく告げてから、崩れ落ちそうになっている犬神の腰を支えて、宮内はなるべくゆっくりと律動を開始する。  一度挿入を許した結合部はスムーズな出入りを受け入れ、先走りが潤滑剤となって雁首から根元まで、少しの努力で入るようになった。  柔らかく湿った肉壺に自身の先走り液を馴染ませて、剛直の形を教えるように何度も叩き込む。  ある一点を狙って突くと犬神の肩がピクリと跳ねて小さく鳴くのが聞こえた。 「ふあ……ッ」 「仁郎、ここ好きだよね。ほら、ここ」  ぐっぐっと先端で押し上げると、犬神の背筋が弓なりにしなり、指先が畳を掻く。 「ひぅ! あッアッ! そこっ、だめ……ッ、だめぇ! あっ」  反応を示す箇所を突くたびに犬神の口から断続的な嬌声が飛び出し、尻が持ち上がる。  肉壁が収縮し剛直を締めつけて、まるでもっと欲しいとでも言うようにヒクヒクとする。  それに応えるように宮内が抽送を激しくすると犬神が声にならない声を上げて全身を痙攣させた。 「ぁ…ッ、あ゛っあ゛っ! ひゃらぁ!! でるぅ! うああ゛あ゛」  犬神の勃ち上がった逸物から、透明な液体がぷしゃあと勢いよく放たれ、畳に水溜まりをつくる。それは一回では止まらず宮内が奥を穿つたびに、ぴゅっ、ぴゅっと犬神の先端から噴き出した。 「すご……潮吹いちゃったね。そんなに気持ちよかった?」  宮内の手がまだ熱を持っている犬神の肉棒を撫でる。 「ぁ……あぅ、……っく、ていいち、待っ」  まだ絶頂から戻ってこれず茫洋として視線を宙に彷徨わせていた犬神に、宮内は今度は前を慰めてやりながら容赦なく猛った肉槍を打ち付けた。  室内には絶えず、ぱちゅぱちゅと肉をかき乱す音が響き、そのテンポが早まっていく。  イったばかりなのに前と後ろを同時に責められた犬神は、脳が焼き切れるような快感が襲ってくるのに恐怖を覚えた。  体が跳ねるのを抑えられない。脚を引き攣らせ、叫び声を上げながらまた犬神は達する。それでもまだ萎えなかった。  イくことを覚えた肉壺は、射精をせずとも強烈な悦楽を際限なく犬神に与えているようだ。 「あ゛っ、あ゛あ゛あ゛ッッ!!!! やぁ、むりぃ! らめぇッ! イくっ! またイくぅ!!」 「ごめん、仁郎。俺もっ、止まんない! ッ何回でもイっていいよ。俺のでいっぱいにしてあげるからね!」 息を荒げて、犬神の腰を抱え上げ、宮内自身の形が犬神の下腹部に浮き上がるほど押し付ける。犬神の首筋に噛みついて所有痕を残し、最奥を目指して激しくピストンする。  犬神の尻たぶが小刻みに震えて秘肉がうねり、肉槍を包んで蠕動を繰り返す。 「くっ、ん!」  その瞬間、宮内の剛直が弾け大量の精液がびゅるるると犬神の中に注ぎ込まれていた。ふーふーと鼻で息をしながら、最後まで出し切るべく腰を動かし続け、犬神の肉壺を子種で満たしていく。

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