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第1話 再会
猫田 彗 ねこた すい
大学3回生 20歳 天体観測サークル
猫背で視線は下をむいていることが多い
黒髪 前髪で目が隠れるくらいに伸びている
目の色素がうすいことを気にしている ちなみに灰色
犬塚 虎狛 いぬづか こはく
大学2回生 21歳 天体観測サークル
高身長でスタイルはがっしり
アッシュブラウン 短髪
一年浪人している。実は他の大学に合格していたのだが
1年前…
桜も満開を過ぎ少しずつ散り始めた頃
入学式 当日
一年浪人してなんとか入った大学
実家から離れ、とある人を追いかけてここまできた
突然オレの前から姿を消した幼馴染
志望動機は不純と言われても仕方ないけど
オレにとってはこれからの一生を左右するほどの一大事だったのだ
ここにあの子がいる!
式の間もずっとソワソワして落ち着かなかった
お偉い人達のありがたいお話も右から左
はやく、会いたいなぁ
「待っててね 彗ちゃん」
入学式が終わり自由に行動できるようになった
校内ではいたるところで部活やサークルの勧誘がすでに始まっており何人か声をかけられたがお断りしオレは地図を見て一目散にとある場所へと向かった
〝天体観測サークル“
「あった!!」
ふぅ と一息深呼吸して
扉をノックする
「はーい。どうぞー」
ずっと聴きたかった声が鼓膜を揺らす
この先に、彗ちゃんがいる…
「しっ失礼します!」
扉とは反対を向いて座っている青年
何やらレンズの手入れをしているよう
「こんな過疎サークルに人なんて珍しい。部屋間違えたのか?」
作業中の手を止めこちらを振り向く
揺れた前髪の隙間から見えた瞳
「っ…」
変わってない
目を隠すための前髪も
猫背で視線が下に向いているところも
「おーい、だいじょ「彗ちゃん!!」
辛抱たまらず駆け寄って思い切り抱きしめる
「うお?!なんだ?!」
「彗ちゃん!会いたかった!会いたかったよ!」
ぎゅっと回した腕に力を入れ
首元に顔をぐりぐりと擦り付ける
あーー彗ちゃんの匂いだ
「すぅぅぅ、、彗ちゃん!彗ちゃん!」
「はっ?!え?!どちら、さま??変態か?!
………っ こ、こはく?!なんでここに?
ってか、吸うなぁあ!」
バシッと首元をチョップされる
「いだっ!」
「とりあえず、はーなーれーろー!」
肩を押し返されたのでしぶしぶ身体を離す
すこし離れて 目が合った
灰色の瞳に驚きが見て取れる
「ふへへ。やっと会えたね!彗ちゃん!」
「はぁ…ほんとに虎狛だよな…」
「うん!本物だよ!」
「本物…なんで、ここがわかったんだ…
虎狛には教えないように言ってたはずなのに…
あぁっもう!わけわからん!」
ぶつぶつと呟いて頭を掻き乱す彗ちゃん
綺麗な髪が痛んじゃう!
そっと自分の手で彗ちゃんの手を掴んで止める
「まぁまぁ細かいことは気にしない気にしない
それより!!久しぶりーー!!」
すいちゃーーーん!!
目の前に彗ちゃんがいてこっちを見ているのがうれしくてまた抱きしめる
「こら!!だーかーらー!急に抱きつくなって!!」
「へへー!
やだー もうちょっとこのままがいいー!」
春 オレたちは暖かな風の吹き込む静かな部屋で騒がしい再会を果たした
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