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第29話 飲みやすいお酒は危ないのだ

「ふへへ。こはくぅこれうまいなぁ」 「あー…やっぱり…」 選んだのがすごく飲みやすいお酒だったため 案の定コップ2杯でぽやぽやし出した彗ちゃん もうすでに呂律が怪しくなっている 「彗ちゃん、一回お水のもっか。ほらお酒ここに置いて」 「やら!美味しいから大丈夫だもん!」 持っているお酒と水の入ったコップを交換しようとしたら両手でお酒を隠す彗ちゃん このパターンの酔い方もあるのか… 「彗ちゃん。取らないから、お水飲もう?飲んだらまたお酒ゆっくり飲もうね」 そう言って水の入ったコップを差し出すと片手にお酒を持ったまま受け取ってくれた こくこくとコップに入った水を飲み干す 「ん!のんだ!」 「うん。えらいねぇ。よしよし」 空になったコップを受け取って頭を撫でる 嬉しそうにしているのを見てこっちまで笑顔になる 「じゃ、お酒飲んでいい?」 「オレも彗ちゃんと一緒に飲みたいからちょっとずつゆっくりにしようね」 「んーわかったぁー」 またお酒をちびちびと飲み始める彗ちゃんを見ながらオレもコップに入った酒に口をつける 日本酒らしい米の甘みとお酒の旨みが炭酸の爽やからに乗って広がる 「うん。美味しい」 しかし、これは…飲みやすすぎて悪酔いしそうだなぁ 特に彗ちゃんに飲ませすぎないように気をつけないと 「あーこはくぅ」 「はーい。彗ちゃんどうかした?」 「うえー」 楽しそうな表情で空を指差している彗ちゃん 「上?」 言われて空を見上げるといつの間にか夜空に星が広がっていた 「わぁ…」 キャンプの時もよく見ていたが今日は 2人で同じお酒を飲みながら同じ星を観ている なんだかいつもよりも特別な感じがして 一層綺麗だ こんな風に思えるのもきっと隣にいる人が特別だからかな、なんて 「……すき、だなぁ」 「んふ。俺もシュワシュワの日本酒好きー」 「え、あ、あぁうん。そだね。美味しいよね」 「んー!これならいくらでもいけるー!」 「うーん。それはやめとこうね。明日気持ち悪くなっちゃうといけないから程々に」 「わかってるわかってるー」 ふにゃふにゃの笑顔でコップを持って返事してるけど、これは多分分かってないやつだなぁ でも、まぁ終わるのはあと少し楽しんでからにしようかな

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