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talk.6 オカマと客
あら、緒方さん、顔色おかしいけど、大丈夫?酔ったのかしら?ウーロン茶にしましょうか?気付かなくて、ごめんなさいね。
無理しないで、今日は帰っても―――、帰らない?でも、明日のお仕事に差し支えると。
お休み?そう、ならいいけれど。
ドロシーちゃん、こちらのお客さんにウーロン茶いい?
それで、福岡にはいつまで―――え、子供?産んだのかって?まだ話、続いてたの?
丸裸にされる気分だわ。
はいはい、もちろん産んだわよ。
2300グラムの男の子。
いいえ、男が産んだにしては大きい方なのよ。男のオメガから産まれると、2000グラムいかない子が殆どらしいから。
今では、反抗期真っ盛りの高校生。
あ、真っ盛りじゃなくて、真っ只中。まあ、10代の男子の頭の中なんてアレで埋め尽くされてるんだから、真っ盛りで間違ってもいないわね。
って、え、ちょ、ちょっと、緒方さん?あなた、なんで泣いてるの?何でよ?泣き上戸?
ええ、まあ、確かに苦労はしたけれど。
ああ、もう。
こんなオカマの身の上話で泣くなんて、緒方さん、いい人なのね。泣かないでいいの。そりゃ色々あったけど、ずっと幸せだったんだから。
ほら、大の大人がみっともないわよ。
もう、アタシまで泣いちゃうじゃないの。
え、なに?
真名川?
今、真名川って言ったの?
なんで、あなた、彼の名前を、
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