18 / 18
EX 11月22日 いい夫婦の日 ※
side:柚希
「いい夫婦の日だ。」
日本に着いて早々涼一さんが口にした。
今日の日付は知ってたけど、そんな記念日があるのを知らなかった。
だから子供達が止めるのを振り切ってこっちに来たんだなって。
アレク様が僕のと二人分仕事を受け持って間に合わず、アレク様の仕事が残った。
誰にも頼めないアレク様の仕事だから、任せても行けない。
「帰ったら一日で必ず終わらせる!」
と言い切って出て来た。
だから子供達は止めたんだけど、アレク様が言った事は必ずやり遂げる人だって知ってるから、僕は安心してこっちに来たんだけど。
そもそも遅れたのが僕のせいだしね。
最終的に僕が
「絶対大丈夫、早く帰って来るから。」
と言って子供達と文官さんが納得してくれた。
貴重な時間だから、やりたい事を優先しないと。
「まず何をするか計画を教えて。」
涼一さんの事だから絶対に計画を立ててるはず。
「計画?柚希とやりたい事がいっぱいありすぎて、立ててない。」
「えぇーっ!?」
意外だったので驚いてしまった。
「むしろ柚希がやりたい事を一日掛けてやろうと思っていた。」
じっと僕を見て、楽しみな様子で僕の返事を待っている。
どうしよう…僕こそ涼一さんのやりたい事をやるつもりだったのに。
僕は困った顔をしていたのか、涼一さんが口を開く。
「互いに同じ想いだと、それだけで充分嬉しい。」
「同じ想い……うん、そうだね。」
二人で笑い合う。
「じゃあ、相談して決めよう。」
「相談するのも夫婦らしいな。」
それだけでも嬉しそうな涼一さん。
結局互いが仕事疲れしているから、レンタルルーム?っていうやつを借りて、互いにマッサージする、ということになった。
「へぇ、普通の部屋みたい。」
ルーム内に入ってすぐの僕の感想。
まんま過ぎて、言ってから恥ずかしくなった。
「誰でも初めての経験はあるだろう。」
涼一さんがすかさずフォローしてくれながら僕を脱がす。
「相変わらず手際がいいよね。」
おかしくてクスクス笑ってしまう。
「エッチするのに、時間を省けるところは省かないとな……。」
急に涼一さんが何か閃いた様子になったかと思ったら、脱がした僕の衣服を着せていく。
「あれ、え?」
僕が戸惑ってると、涼一さんは真顔になって僕と視線を合わせる。
「衣服を脱ぐのもエッチの内の一つだったという事に気付いた…。それをスキップするのは駄目だ。」
主張はわかったけど、いつも服は勢いよく脱がされてるから、ひょっとして恥ずかしい事になりそうな?
思い違いであって欲しいと思ってたけど……。
「そう、柚希。ゆっくり脱ぐんだ。」
とは言っても今日はTシャツにハーパンだから、簡単に脱ぎ終えてしまう。
言われる通りにゆっくりとTシャツを脱いでいく。
「柚希の可愛いおへそが覗く、いいタイミングだな。」
すっごく見られてる…言葉も恥ずかしい。
今まで素っ裸を長い時間見られてるのに、それなのにこの状態の方が恥ずかしいなんて。
よく涼一さんはそういう事思い付くよね。
やっぱり成人向けの動画とか観てたんだろうな。
「どうした?手が止まってるぞ?何考えてるんだ?」
考え事してるのが、いつもばれてしまう。
僕は今考えてた事を言ってみた。
「まあ、大きな声では言えないが、中学の時にそういう類いにはお世話になったな。」
「お世話?」
「あー、観て勉強になったと。もしそこで知らなかったら、柚希との初めての時、何していいかわからんとか、自分の勝手な思い込みで事を進めていたかも知れないだろう?そうしたら柚希の身体を傷付けていたかも知れない。」
確かに…受ける側は負担が大きいって涼一さんは言ってくれるけど、攻める側もそういう風に知識が必要なんだなって、初めて考えさせられた。
「柚希……真面目に取らなくていいからな。俺は結局知識があろうと無かろうと、柚希を愛したい思いで柚希を抱いているんだからな。」
「ん、そうなんだ。じゃあエッチの時に涼一さんの負担になってない?」
「負担どころか、回復してる。きっと柚希の泉は回復ポイントに違いない!」
「泉!?うん、なら良かった。」
安心した僕は、止めていた手を再開し、下半身を纏めて脱ぐ。
ゆっくりだぞ、と言われてるから、ゆっくりと。
「……絶景だ。」
涼一さんの視線は当然僕の股間で、これまたしょっちゅう見られてる筈なんだけど、見られながら言われると、ほんとに羞恥心が高められてしまって、顔が赤くなってしまう。
「柚希…。」
僕の赤い顔を愛し気に撫でてくれる。
「今度からエッチの時はこうして、ゆっくり脱ごうな。」
「そう、だね。」
何となく実現しない気がする。
いっつも涼一さんは切羽詰まってるから。
「柚希……もう、股間が痛い。」
「まだ服脱いだだけなのに。」
「柚希が脱いだらとんだエロ映像だ。」
「じゃあマッサージはいいの?」
「む……。」
涼一さんが真剣に悩む。
別に今日どっちかすればいいと思うんだけど…。
「マッサージしよう。」
決断したらしい。
「えーとじゃあ…。」
「俺が先に受ける。柚希に触れていたら、マッサージなんか忘れて襲ってしまうからな。」
この先の流れがわかった。
取り敢えず涼一さんも脱いで、すぐにベッドにうつ伏せになった。
ここに来るまでに、途中で買ったマッサージグッズを手に取る。
まずはマッサージクリームでいいのかな?
クリームを両手に取ると、涼一さんの首を揉みながらクリームを染み込ませる。
「ああ、気持ちいいな。柚希は何をやらせても天才だ。」
「有難う。」
お世辞でも嬉しいよね。
そのまま背中を撫でていく。
…男らしい背中。
ちょっとだけ手を止めて見惚れてしまう。
「ん?興奮したか?」
「カッコいいなって…。」
恥ずかしそうに答えると、涼一さんは何か数式っぽい事を呟き始めた。
続きを再開。
腰を揉んでから、先に腕がいいよね。
僕は涼一さんの腰に座り、肩から腕のマッサージを……。
「柚希、済まない!」
涼一さんはそう言うと、僕を身体の上から落として起き上がり、ベッドの上に座った状態の僕の顎を掴んだと思ったら、口の中にペニスを突っ込んで来た。
「ふ…っ!」
いきなりだったのでまごついていたら、涼一さんはすぐに腰を動かして、直後精液を僕の口内に流し込んだ。
「苦行だな。俺にとっては焦らしプレイになってしまう。」
「腰が気持ち良かったの?」
口から抜かれて精液を飲み干すと、問い掛ける。
「俺の腰に柚希のアソコが直で触れたら、興奮しないでいられるわけがないだろう。」
「あ、成程…。」
一波乱あって再開。
今度は身体に乗らないようにちゃんと動いて、お尻から足を塗っていく。
同じように仰向けでやっていくと。
「……また勃っちゃってるね。」
「ああ、柚希が何をしても勃つ。」
「有難う。」
それは僕も嬉しいんだけどね。
勃起を余り気にしないようにして、続きを塗ろうとしたんだけど……気にならないわけがない。
「…ここもマッサージしようか?」
勃起を軽く握って訊ねる。
涼一さんを見詰める眼差しが潤んでしまう。
「そんな顔で見られたら、理性が持たないんだが?」
「だ…だって、好きな人のなんだから、仕方ないよ…。」
もう一回涼一さんの精液を受け止めた。
今度は顔で。
「よし、交代だ!」
勢いよく起き上がった涼一さんが、僕の身体をうつ伏せに倒す。
「お手柔らかにお願いします。」
「大丈夫、慣れてるからな。」
涼一さんは僕が起きるまでに、エステマッサージを毎朝僕に施してくれている。
日課だって言ってるけど、申し訳ないな。
一度「しなくていいからその分休んで欲しい」って言ったことはあるけど、「寝るより柚希の身体に触っている方が元気になる」って言われて。
「あんっ!」
「考え事が出来る程リラックスしてくれてるのはいいけどな。」
明らかにマッサージとは違う手つきでお尻を撫でられたから、反応してしまった。
僕の考え事モードに気付いて、仕掛けてきたらしい。
「意地悪…。」
「もっと苛めてやる。」
涼一さんは僕の背中に覆い被さると、胸許に手を入れて乳首を弄り、もう片手でお尻を割って、後孔の入口を指で撫で回して来た。
「ゃ……ぁんっ!」
後ろは指を挿れないで、入口ばかり撫でる。
乳首もクリームで滑って、上も下も焦らされる。
「あ…あぁ!いじめ…ないで…っ!」
腰が欲しくて揺れてしまう。
頭を振り返らせて、涼一さんに懇願の眼差しを向ける。
「何を…して欲しいんだ?」
涼一さんも興奮して呼気が荒い。
「柚希の……お尻を苛めてっ!」
恥ずかしい言葉なのに、すっかり涼一さんに教えられた通りに淫らに言ってしまう。
今の僕を支配しているのは、恥ずかしさじゃなく欲望だ。
「お利口だな。」
三度目の涼一さんの勃起は、今までで一番大きくなっていた気がした。
入って来る涼一さんの自身は、毎日受け入れてるのに、ひょっとしてまだ育ってるんじゃ?と思う程、大きく僕を押し拡げる。
「ふっかい…っ!」
バックで挿入されてるので、普段しないその体位に、より深く入ってる。
僕の中は期待でいっぱいになって、涼一さんを包むように卑猥に蠢いてしまう。
「…っ、柚希の中は俺にピッタリ吸い付いて、俺の全てを食っちまいそうだ。」
ピストンが開始される。
「あっああっ!たべ、させてえっ!」
僕を貫きながら、涼一さんは両乳首を摘まんで捏ねくり回す。
「はっ…あぁんっ!イッちゃうのぉっ!」
腰も胸も涼一さんに押し付けて、身体全体が涼一さんを欲しがる。
「…っ、柚希っ!」
切羽詰まった声がしたと思ったら、涼一さんは少しだけ身を離して、僕の身体を仰向けにする。
「バックは気持ちいいが、やっぱり柚希の可愛い顔を見ないとな。」
「ふぁ……っ、いっぱい…みて…、柚希だけをっ!」
「元々柚希しか見えていない。」
知ってても言葉で貰うと嬉しいね。
涼一さんの動きが激しくなって、入っちゃいけない場所に入って来る。
「あっあぁんっ!そっ……あっ、イッちゃう!!」
「ああ、俺も…イきそうだ。柚希の、最高にエロい瞬間を見ながら、イきたい。」
涼一さんが僕にちょっとだけ体重を掛けて、唇に唇をくっつける。
僕ももっと欲しくて、涼一さんに舌を伸ばすと、涼一さんがすぐに舌を絡ませてくれる。
そのまま腰の動きが速まる。
くちゅくちゅと夢中で口を貪り合いながら、下半身はやはり卑猥な音を立てて愛し合う。
「りょういちさん…あたま、へんなっゃう…っ!!」
キスの合間に嬌声を上げてしまう。
言いながら自分からも腰を振って、絶頂に向かおうとしながら。
「愛してる、柚希…!」
涼一さんがスパートを掛けると、僕もイく事しか考えられなくなり。
「りょういちさん…っ…!あああ―――っっ!」
「柚希…っ!」
僕がびくびくしながらイくと、自然締まった孔が、涼一さんの精液を受け止めた。
いつものように涼一さんが腕枕してくれている。
数分置いて僕は意識がしっかり戻り、胸を荒く上下させている。
「ん……。」
涼一さんの顎に頭を擦り付けて甘える。
「柚希のマッサージ、途中になったな。」
僕の甘えに嬉しそうな顔をしながら、髪を優しく指で梳いてくれる。
「僕はいつも朝してもらってるから。いつもよりゆっくり休めたし、当初の目的は達成出来たよ。」
「そうか、それなら良かった。」
ぎゅっと強く抱き締めてくれる。
「でも、そろそろ帰らないとね。約束だし。」
あからさまに残念そうな顔をする涼一さんに、思わずクスクス笑ってしまった。
「有難うな、奥さん。」
「こちらこそ、旦那様。」
もう一度ちゅっと軽くキスしてから、シャワーを浴びてあっちに戻った。
ともだちにシェアしよう!