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第三話①

「あ、あ……ああ、はあ……あ……」  恥部(ちぶ)に吸い込まれているペニスに貫かれる度に、日頃高慢な口から洩れるのは女性のような(なま)めかしい声だ。  両手で優雅な曲線を描いている腰を掴み、バックからピストンで縦横無尽に突いている順慶は息を荒げながらも笑みを見せている。ベッドの上で馴染みの身体を抱くのは数週間ぶりである。自分に比べれば細身だが均整の取れた肉体はいつも通り色気が駄々洩れしていて、激しくペニスで突きながら自分も熱くなって気分も高揚している。 「ああ、ああ……あ、あ」  ベッドの上で冴人はうつ伏せになり、膝をついて腰を持ち上げられた格好で、臀部(でんぶ)を恥ずかしげもなく順慶へ突き出している。両手はリネンの白いシーツを握りしめているが、シーツはもうくしゃくしゃだ。肌は汗まみれで、腰は感覚がおかしくなるほどに揺らされ、恥部に喰い込んだペニスは感じやすい秘部(ひぶ)の奥を存分に犯して(むさぼ)っている。  二人がいるのは高級マンションの最上階の一室だ。この不動産は一棟全て副島家が所有していてオーナーは冴人である。場所は繁華街の一等地にあり建物の外装もホテルのように洗練されていて、特にセキュリティが強化されていることから主に富裕層が住んでいる。一部屋の間取りは広く、最上階はマンダリンオリエンタルホテル並みのスイートルームだ。今は四方一面が眺望できる窓は全てジャガード織の深い色合いのドレープカーテンが引かれ、部屋の中は真っ暗である。その室内でウォルナット材のキングサイズベッドの上で男二人が性行為に(ふけ)っている。シーツを(こす)る音やペニスのいやらしい音、絡みつくような喘ぎ声が暗闇に散らばり、流れ落ちた汗やねっとりとした精液があらゆる染みとなってベッドシーツを汚していて、卑猥(ひわい)な匂いが充満している。 「……あ……」  冴人はマットレスに埋めていた顔を少しだけあげた。口元はひどく濡れ、傲慢な三白眼は耐えるように切なげである。 「あ……ああ……ああ……ああ……」  順慶は腰の動きを速くした。ペニスを(えぐ)るように深く突く。もう早くイきたい。冴人の中へぶちまけたい。 「……ああ」  冴人は熱い息を吐き出しながら顔をシーツに沈めた。恥部はびっしょりと濡れ、白い液が溢れ落ちてくる。その辺りのシーツやマットレスはひどく湿っていて、匂いが凄い。  荒々しく射精した順慶は動きを止めると、息を乱しながら舌でぺろりと唇を舐めた。最高に気持ち良かった。冴人も声を聞く限り全身で最高潮に感じたはずだ。今夜は互いに何回も(たっ)している。さすがにやり過ぎだろうと思った。

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