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第七話⑨
一成は電流が奔 ったように背中を仰 け反らせる。
「あ……ああ……」
榮は立ち上がって片手で一成のペニスを掴むと、たっぷりと扱 く。ペニスの先は白濁が溢れて掴んでいる手も濡れるが、榮はまったく気にもならないようで動きを止めない。
「いい仔 だ」
手にあるぺニスを弄 ぶ。
一成は強く奥歯を噛んだ。榮の言い方がひどく癇 に障 る。自分を子供扱いしているのがたまらなく嫌だった。だが、そうさせているのは自分なのだと視線がさまよう。
「気に入らないのか、一成」
笑いを含んだ榮の言葉が耳の中に入り込む。
「私のセックスに不満があるのなら、言いなさい。私に抱かれているその身体で」
「……先、生……ああ」
一成は身体をよじる。ペニスを掴む力が荒々しくなる。興奮の度合いも強くなっていき、恥部が欲するように疼 く。
「何も……」
一成は観念したように濡れた唇を閉じた。不満があるのは俺自身にだ――両足をさらに広げて、右足を手前にあげる。
榮は軽く目尻をゆるめた。徐々に手の動きを優しくしてペニスを離すと、左腕を回して下から一成の右足の膝を抱え込む。
「君の不満はよくわかった」
一成の胸元に身体を押しつけて壁と挟むようにして支えると、恥部に自らのペニスを触れさせる。
「俺は……不満なんてないです」
一成は酔ったような口調になる。
「……ただ、眩暈がしているだけです……貴方に抱かれて……」
――そうだ、俺は酔っているんだ。一成は冷ややかな自分に言い訳をした。自分でもどうしようもない気持ちが眩暈するほどに。貴方に、酔っている――
「そうか」
榮は優雅に目を細めた。それから、恥部にペニスを押し入れた。
「うっ、あ、あ……」
一成は壁を背にして、腰を動かす。ペニスは恥部の中を間断 なく突いて、一成を激しくさせる。
榮は左手で一成のくびれた腰を掴むと、もっと秘部の奥を抉 るように貫く。
「あっ、あっ、ああっ……あ」
一成の声は千々 に乱れる。床についている左足は小刻みに震えて、何とか肉体を支えようとする。その側の床に恥部から白濁がぽとりぽとりと垂れ落ちて、生々しく匂う。
「ああっ、あっ、あ……う……あっ……」
腰の動きが激しさを増す。
榮は一成の肉体を貪 りながら、その首筋に顔を寄せて唇を這わせた。
「泊まっていきなさい……今夜はもう帰れないだろう」
これほど感じているのだからと、抱えている右足を広げて、感じやすい秘部をペニスで荒く突いていく。
一成は声をあげて息を乱しながら、かすかに頭を振った。自分の肉体が何を欲しているのか、自身が一番わかっていた。
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