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第1話 兄さんの愛し方

人には言えない秘密が、少年にはあった。 少年はまだ10歳になってない。 でも。 もうセックスを知っていた。 それが秘密ではない。 いやそれだけが、秘密ではない。 少年を毎晩鳴かせているのは。 少年の実の兄なのだ。 兄弟は2人きりで暮らしている。 両親はどこかで好き勝手に好きな相手と暮らしてるからだ。 通いの家政婦は夕方には帰る。 すると、7つ上の兄は弟を犯すのだ。 もう後ろで受け入れるようになって2年にはなるので、少年はそれが苦しいだけではなくなっている。 いや、苦しかっただけの頃でも。 少年は嬉しかった。 綺麗な兄が。 自分を愛してくれるのが。 「可愛いね」 そう言ってキスしてくれたなら、なんにだって耐えられた。 父も母もいないけれど、優しい綺麗な兄いつもいた。 初めて服を脱ぐように言われた日も。 ペニスで射精することを教えられた日も、 乳首が気持ちいいと知った日も。 兄のものを咥えて舐めて飲むことを強いられた日も。 後ろを犯され、痛くてゆるして、と泣き叫んだ日も。 兄を愛していた。 だから。 まだちいさな身体には辛いだけだった時も。 兄の言うなりになった。 でも、今は。 「可愛いね。可愛い。気持ちいい?」 兄がうっとりと囁く。 四つん這いにされ、尻を高く上げさせられ、兄に貫かれている。 ぐちゃ ぐちゃ 兄が動く度に肉の動く閉めった音が響き、少年は甘く喘ぐ。 「気持ちいい?」 自分の中に入る兄が甘く聞いてくれる。 それを夢み心地で聞いている。 気持ち良かった。 「兄さんの好きぃ」 喘ぎながら言う。 良いところを突かれて、高い声をだす。 まだ声変わり前のその声に兄のぺニスがまた大きくなる。 「ほんと、可愛い」 うっとり兄が言う。 まだ幼い勃起したぺニスを撫でられて、さらに高い声が出てしまう。 穴で締めつけ兄のを欲しがる。 兄を受け入れられ、兄のペニスを感じることが嬉しすぎた。 痛くて苦しいだけだった時も、兄が褒めてくれるから必死で耐えたし、行為を拒まなかった。 痛すぎて、泣いて止めてと言っても、止めてくれなくても、また求められたなら、受け入れた。 でも今は。 兄のペニスが後ろを突き上げる度に、止まらない声で叫び感じて、兄を喜ばすことができる。 気持ちいい。 でも、兄が喜んでくれるのが1番気持ちいい 「可愛い。本当に可愛い。ああ、大人にならなければいいのに」 兄が言う。 「このまま可愛いお前でいて。愛してるんだ」 兄の言葉は切ないほどの哀願で、少年はそうでいたいと思う。 何もかもが、兄が喜ぶように、と。 イキ狂うと喜ばれるから、快楽に身を任せ、貪欲に欲しがり、兄を求めた。 兄に求められるまま、繋がったまま、上になって自分から動いてイってみせた。 兄が望むなら幼い指でディルドを握り、それで後しろの穴だけで1人でイってみせた。 兄が言うから、乳首を弄りそこだけで達してみせた。 兄が喜ぶから淫らな言葉を叫び、中に出されて喜び、自分から引き抜かれたばかりの兄のモノをしゃぶってみせた。 なんでもした。 家の中のどこででも、兄の行為を受け入れた。 「可愛い。どこまで可愛いんだ」 綺麗な兄が自分に夢中になるのが嬉しかった。 何度でも求められ、それにどんなにボロボロになっても応えた。 だって愛していた。 兄だけだった。 美しい兄は自分だけのものだった。 父親にも母親にも捨てられた。 兄だけは優しかった。 そのためならなんでもできた。 二人きりの家は楽園だった。 金だけはある。 ならここにとじこもってしまいたかった。 でも。 少年の背が伸びるにつれて、兄が触れて来なくなった。 たまにしゃぶらせたり、飲ませたりはしても、それ以上は。 少年から目をそらすようになった。 言葉や態度だけは優しくても、兄の中で何かが終わったのだと知った。 15 になった時には兄は帰って来なくなった。 もう口ですることすら求められず、キスさえ避けられるようになっての、果てだった。 少年は普通の少年よりも大きく。 大人の男のようになっていた。 それが理由だと分かった。 兄には子供の自分しか愛せなかったのだ。 少年は泣いた。 兄が欲しくて。 でも。 兄は帰ってこなかった。 捨てられたのだ。 そして、20歳になったかつての少年は、兄を見つけ出した。 兄は人里離れた山の中で1人で暮らしていた。 理由は分かった。 兄は弟以外の子供を毒牙にかけられなかったのだ。 人間のいないところに自分自身を閉じ込めていたのだ。 兄が愛せるのは、子供だけだから。 かつての少年はもう青年だった。 とても大きな男になっていた。 美しくはあったけれど、兄が愛した子供の美しさはどこにもない。 兄は訪ねてきた弟から逃げようとした。 でも弟は逃がさない。 捕まえて離さない。 悪かった 兄は泣いて謝る。 僕は最悪の人間だ、と 弟は笑う。 最悪? あれは最高だった。 最悪なのは逃げたことだ、と 愛せない。 僕は子供しか抱けない 兄は泣く。 「お前を愛してると思ってたのに、そうじゃなかった。僕は子供にしか欲情しない、最悪な人間なんだ」 告白する。 殺してくれてもいい、と。 弟は笑う。 「そんなことはどうでもいい」と。 兄は混乱する。 弟が復讐のために自分を探し当てたと思っていたのだ。 「オレを抱かなくてもいい。オレを抱けなくてもいいんだよ」 弟は今では、自分より小さな、それこそ大人と子供ほど体格差がらある兄を押し倒した。 「今度はオレが抱いてあげるから」 弟の言葉に兄は悲鳴をあげた。 でも弟はとても大きくて、強くて。 「最初は痛い。苦しい。でもそれだけじゃないようになるから」 弟は甘く言った。 そうだと知っているから。 自分がそうだったから。 「兄さんが全部教えてくれた。今度はオレが兄さんに教えてあげる」 弟は兄の衣服を剥ぎ取って、兄の身体を容易く抑え込む。 それでも暴れるから、兄の腕を脱がせたシャツで縛ってしまった。 ずっと恋焦がれていた兄の身体はとても美しかった。 全身を舐めあげて、キスをする。 そうされたように。 ゆるしてくれ すまなかった そう泣き叫ぶ兄の尻を持ち上げ、その穴を舐めて濡らしてやる。 これも兄がしてくれたことだった。 兄のペニスは萎えたままだが、そのうち慣れたなら兄のペニスも、ここを舐められ、ここにぶち込まれても、勃起して射精するようになるだろう。 全部知ってた。 されたから。 指で解した。 思った通り、兄のそこは誰にも触れたことがなくて。 そして兄がここに逃げ込んたことから考えても、兄は自分以外とはセックスしていないようで。 なにもかもが満足できた。 そこに押し入り、兄が上げる悲鳴も。 苦痛の叫びも、ごめんなさいと叫ぶ声も。 初めての時の自分のようだった。 愛しかった。 あの時、痛くて泣いて、止めて欲しいと言ったののを懐かしく思い出した。 「ごめんね、愛してるんだ」 兄に囁かれた言葉を、今、兄に囁いた。 兄の中は最高で。 兄だから最高で。 あの日、兄が幼い弟に狂ったように、弟も兄に狂った。 悲鳴すら、音楽のようだった。 兄のまだ硬い肉の中でする射精はあまりにも良すぎて叫んでしまうほどだった。 兄を愛した。 兄が自分にしたことが分かった。 気絶しても止めなかったのも同じだった。 気がすむまでした後、意識のない兄を抱きしめながら思う。 これでいい、と。 オレは兄さんのように逃げないから。 兄さんが愛してくれたように兄さんをずっと愛していく、と。 兄を抱きしめる。 もう逃がさない。 おわり

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