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第2話 罰

15で女とセックスさせられた。 無理やりだった。 家のために女に子供を産ませなければないない、と言われて、15で年上の婚約者をあたえられた。 でも、その時には自分にはもう女と出来ないことは分かってた。 だから無理だと言った。 女は抱けない。 セックスなどむりだから、自分のことは諦めて欲しいと両親に。 そこからのことは思い出したくない。 部屋に閉じ込められた。 連れて来られたのは恋人だった。 全寮制の男子校で出会い、密かに身体を重ねあった、大切な恋人。 彼のために、婚約を親に諦めさせようとしたのだ。 恋人は真っ青な顔をしていた。 そして婚約者も来た。 婚約者の方はもっと諦めた顔をしていたけれど。 そして。 恋人に縛られた。 「ゆるしてくれ。こうしないとオレの家族が・・・」 そう言われた。 そこからは。 思い出したくない。 恋人に後ろを激しく突かれ勃起したペニスに、婚約者がまたがり、女の中で射精させられた。 嫌だと言ってるのに、何度も何度も後ろを犯され、勃起してしまうと、それを搾りとられた。 嫌悪しかないセックス。 それを恋人によって行わされた。 「愛してたのに」 叫んだ。 「すまない」 泣かれた。 でも。 止めてもらえなかった。 恋人に知り尽くされた身体はどうさされたら勃起するか射精するかをコントロールされていて。 出なくなるまでそうされて。 また次の日繰り返されて。 泣き叫びながら無理やり女の中で射精させられた。 1週間そんな悪夢をみせられた。 その後、恋人と会うことはなかった。 学校も転校した。 婚約者ともそれから、数年後の結婚式の日しか会ってない。 結婚前に生まれた子供も、結婚式の日にチラリと見ただけだった。 形だけの結婚。 跡継ぎが生まれたから好きにしても良いと言われたが、もうセックス自体が無理になっていた。 射精することへの嫌悪が凄い。 大学だけは卒業したが、田舎に引っ込み静かに暮らした。 跡継ぎを手に入れたから、もう利用価値はないらしく放っておいてくれた。 静かに。 人生が終わるのをそこで待つことにした。 10年たち、男は35歳になっていた。 ある日。 若い青年がやってきた。 道に迷ったのだと。 申し訳ないが泊めてもらえないか、と。 車も故障して動かないと。 このあたりはこの屋敷以外は家はないから、と。 いつもなら追い出すのに、何故かゆるしてしまった。 人懐っこい笑顔のせいか。 食事を与えて部屋もあたえて、泊めてしまった。 人間が嫌いで仕方ないはずなのに。 でも。 十年ぶりの人とのまともな会話。 青年の話は面白く、思わず笑っていた。 声をだして笑える自分に驚いた。 青年は男に見惚れる。 その笑顔に。 男は顔を赤らめる。 こんな風に見られたのは久しぶりで。 でも相手はまだ20歳そこそこ。 バカなことを、と思う。 15は違うのに、と。 興味もない自分の子供もそれくらいか、とふと思った。 そして忘れる。 思い出したくもない。 でも。 その夜久しぶりに自慰をした。 後ろの穴は久しぶりだったのにそこを弄られ、喜んだ。 そこで射精した。 後ろでないと射精出来ないのは相変わらずだった。 セックスなんてもうしたくないと思ってたのに。 若い男相手に欲情するなんて、と思って情けなくなって、すすり泣いた。 惨めでしかない。 でも、無理やりされたあの行為で自分は壊されたことをまた実感した。 もう、元には戻らないんだ、と、 出ていってもらおう、明日すぐ、と思った。 もっと惨めになるから、と。 寝室のドアが薄くあいていたことを男はきづかなかった。 若者は出ていかなかった。 というより、あまえられ、笑いかけられると、出ていけと言えなくなった。 自分でも何故だか分からなかった。 そのくせ、夜自慰をして、嫌悪感に苦しむのだ。 すすり泣く。 1週間が過ぎた。 無理だ。 無理だ。 もう無理だ 朝、顔を見る前に出ていってもらおうと思った。 夜の闇で顔が見えない内に出ていってくれ、と言おうと。 客室のドアは開いていて。 「すまない」と声をかけ、寝ているベッドに近づいたなら、あっという間に押し倒されていた。 情熱的なキス。 荒々しい手が、バジャマを捲り上げ、さっきまで自分で惨めに弄ってた胸を揉みあげる。 手のひらで乳首を転がされて思わず声が出た。 「あなたから来てくれるなんて」 青年は言った。 「あなたが欲しい。あなたが好き」とも。 違うと言ったのに、そんなつもりじゃない、と言ったのに、もう自分でしていてほぐれた後しろをに指を挿れられ、 「こんなにしてて?そんな嘘はだめですよ」 と言われる。 勘違いだと、言っても通じないと分かってしまう。 夜寝室に忍びこんで、後ろを甘く緩ませていて。 それに、青年に触れられて、身体が熱くて欲しくて堪らなかった。 キスされて陥落した。 自分から舌を絡めた。 キスの味を好きだと思った。 久しぶりに乳首を舐められ吸われ、高い声をあげて感じた。 互いのペニスを擦り合わせて感じあった。 こんなセックスは。 初めてだった なにもかもが、自分にピッタリで。 触れ合う肌さえ、こんなに馴染む。 「綺麗だ。素敵だ。一目見た時から欲しかった」 青年は情熱的に囁く。 男は自分もだ、と言う。 ペニスを扱かれたけれど、そこだけではイケないのだと、真っ赤になりながら告白する。 後ろで突かれないと射精できないのだと。 「まじかよエロすぎる・・・」 と呻いた。 青年のモノが大きくなったから呆れたわけではないのが分かった。 「じゃあ後ろで沢山イキましょう」 青年はいやらしく言って、その声に男は身体を震わせた。 後ろを貫かれた時だけ、あのセックスを思い出して怯えたけれど、青年に突き上げられたなら、すべて忘れた。 「沢山突いてあげるから、沢山出してください」 青年は言う。 ああ、そんなにしないで そんな そんなぁ 男は感じ過ぎて悲鳴を上げる。 射精しているのに、嫌悪しない。 あれほど、射精することを嫌がっていたのに。 「もう誰にもあなたを傷つけさせない」 青年の声が甘く響いた。 でも、あまりに快楽に夢中になっていたから、男の耳にはそれは聞こえなかった。 肉体の中で甘く広がる飛沫を男は感じた。 青年の精液を喜んで受け入れていた。 恋人のモノも咥えたことがなかったのに、青年のモノを夢中でしゃぶった。 味わい飲みまでした。 美味しいと思った。 この味が好きだと。 オレもあなたの味が知りたい、と青年にもそうされて、真っ赤になりながらその口に出した。 知ってた高校生のセックスとはまるで違うイヤらしさに囚えられた。 青年はあまりにもいやらしく巧みで、それに他の男の影を感じて泣いてしまうと、「もうあなただけだと」甘く囁かれ、あなたのモノだと教えこむように、中で揺らされた。 意識が無くなるまで、与えられる絶頂に、男はなにももを忘れた。 後ろを突かれても出さないでイケることまで教えられてしまった。 15からセックスしてない男は、セックスに慣れた青年にいいようにされてしまった。 夢中にされてしまった。 そう、忘れられた。 あの忌まわしいセックスを。 青年の顔も、匂いも、なにもかもが、自分のためにあるかと思ってしまった。 「こんなに可愛い人だったなんて・・・」 青年が囁く声が聞こえた。 目を閉じた。 何も考えなくてよい夜は。 久しぶりだった。 深い眠りに落ちた 青年は父親を抱きしめる。 まさかこうなるとは。 自分が生まれた全てを憎んでいた。 会ったことも覚えていない父親も。 ここに来るまでに全てを破壊してきた。 あのくだらない家もなにもかも。 母を殺す前に自分が生まれる顛末を聞いた。 父親がレイプされて生まれた子供だというのはさすがに驚いた。 父親には同情した。 女が抱けないのは同じだったから。 きっとアイツらは生きていたら同じことを自分にもしただろう。 でも全員殺した。 父親を見つけるのは大変だった。 父親は誰からも見つからぬように隠れていたから。 それでも最初は殺すつもりだった。 でも、一目見て気が変わった。 美しい壊れた男。 自分と同じように壊れた男。 愛しかった。 抱いたらなおさら。 肉体は自分と同じ匂いがした。 顔こそ似ていなかったけれど。 肌も味も、自分の身体がこの人から分け与えられたのだと分かった。 この身体の半分は父親と同じ素材でできている。 その父親の中に放つのは堪らなく気持ち良かった。 それも含めて愛しかった。 ここで二人で、朽ち果てる。 なにも言わないと決めた。 可愛い、可哀想な父親をこれ以上傷つけることもない。 愛して甘やかして。 その身体を愛して。 そして、それが自分を生み出したこの男への復讐でもある。 何も知らないまま、血の繋がった息子に愛され抱かれるのは、罰でもあるのだ。 「愛してるよ、父さん」 美しい父親に息子は愛を呟いた。 おわり

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