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第3話 執着
兄は暴君だった。
10でとうとう無理やり抱かれた。
兄は18。
もう大人で。
兄は容赦なくまだ幼い弟の後ろを貫いた。
それまでも兄のおもちゃとして、後ろを弄られ遊ばれてたから受け入れることはできたけれど、痛みしかない行為に泣き叫んだ。
でも止めてなど貰えるわけもなく。
唇を噛み締めて耐えた。
それまで毎晩兄に咥えさせられ、喉まで突っ込まれることを辛いと思っていたけれど、その方がマシだったとわかった。
でも、「愛されている」と思っていた。
子供だったから。
兄が何故こんな酷いことをするのかを、その理由に、兄の言葉に、しがみついた。
お前は綺麗で可愛い。
だから愛してるのだと。
そう言われた言葉を真に受けた。
だって子供だったし。
1番家で偉いのは跡取りの兄で、その兄に従うように教え込まれていたから。
両親は。
どこまで知っていたのだろう。
自慢の跡継ぎ。
成績優秀、スポーツでも花型選手、それに生徒会長まで務める自慢の息子が、不出来の息子で遊ぶのは黙認していたのかもしれない。
外に出ると言葉がつかえて、家族以外とは話せない、そんな息子は兄のおもちゃでちょうど良いと思っていたのかもしれない。
だって。
出来すぎな位、誰にも気付かれなかった。
兄に毎晩好きにされて、時に泣き叫んでいたというのに。
いくら、兄の部屋が離れにあっても。
毎晩そこで幼い弟が犯されていても誰も気づかないのは、おかしすぎた。
むしろ兄のその為に離れが用意されたのではないかと思ったのは大きくなってからだった。
兄に逆らって両親に訴えることなど考えることもできなかったが。
兄のおもちゃで処理道具。
6つから身体を弄られ、8つまでには喉を犯され、身体で遊ばれて。
10からは立派なオナホにされた。
でも。
愛してる。
可愛いの言葉を真に受けて、たまに優しくされて喜んだ。
兄が大学を卒業して、大学へ行くようになったら、大学近くの兄のマンションに住まわされた。
そして、そこでもやっぱりオナホだった。
兄の好きな時に、好きなように抱かれた。
兄は外での品行方正な仮面を捨て去って、弟で好きなことをした。
縛って、バイブを後ろに突っ込み、何時間も放置してみたり、胸だけを自分で弄っていけるようになるまでゆるさなかったり、ぺニスを縛って射精を禁じて後ろを突き上げつづけたり。
弟の身体で遊んだ。
弟だから。
誰にもバレずにすむから。
兄にはちょうど良かったのだろう。
身体が弱いということにされて、ほとんど学校には行けなかったのは虐待を隠すためだったのだろう。
兄が勉強は見てくれた。
兄は勉強が出来なかった時な与える罰が楽しかったのだと思う。
勉強以外でも罰は常に与えられた。
10歳の頃は兄に挿れられるのが耐えられなくて、泣いて拒んで、他のことで許してもらおうとした。
でも。
兄は何かしらの罰をみつけて、弟を犯した。
ゆるしてもらおうと、なんでもするのも楽しんで、でも結局犯された。
でも、12の頃までには、兄に後ろを犯され、感じて狂えるようになっていて。
兄はそれを喜んで、ますます弟を犯した。
それでも。
愛されていると思っていた。
思っていたのだ。
兄が父親の会社で働き出しても、それは続いた。
兄が自分というオナホ以外で楽しんでいるとは、愚かなことに思いもしなかった。
ある日兄は女を連れてきた。
綺麗な女。
そして部屋に連れ込んだ。
弟が同じ家にいるのに気にせず、兄と女は声をあげて楽しんでいた。
ドアの外で泣きながらそれを弟は聞いた。
女に兄は弟のことは気にするなと言っていた。
女は帰り際、弟にウインクさえした。
兄は女と寝乱れたベッドに座ってタバコを吸っていた。
遊びだ。
そう笑った。
真っ青な泣き腫らした顔をした弟に。
そして。
そのベッドで、女の匂いを付けたまま、弟を抱いた。
嫌だと言ってもゆるしてもらえないのはいつものことで。
女よりお前がいいな、と押さえつけて後ろを強引にこじ開け抉りながら兄は言った。
女のそこよりここがいい、と。
愛されてないと知った。
おもちゃだと。
それでもずっと使われた。
女を連れ込み楽しんで、その後犯されることは、それから度々あった。
口直しだと。
それでも。
1番お前が良い、というのを信じて。
それも愛だと思い込んで。
惨めになりながら、それでも兄に教え込まれた身体は兄に従順で。
兄の好きなように感じ、兄の望むように兄を求めた。
兄の匂いで身体が反応し、触れられただけでスイッチが入った。
兄はそんな弟を喜んで使った。
好きなように。
でも。
弟が18歳の時、兄が結婚することになった。
有力な家の娘で、大事な女性だった。
兄の将来のために。
どこでも好きなところへ行け、と言われた。
兄のオナホとしてしか生きて来なかったのに、捨てられた。
出ていく日ギリギリまで、兄は弟を使った。
何度も中で出して、楽しんだ。
他の奴らは流石に生でたのしめないからな。
誰としてるかも、分からないし。
流石に嫁とは子供を作らないといけないから、生でしないといけないけれど、生でするのは嫌だな。
お前は俺しか知らないから、生で出来たのにな。
まあ、一緒には住めないけれど、たまには可愛いがってやる。
兄はそう言って、捨てられる弟がさらに傷つくことを気にしなかった。
兄はタクシーを呼んでフラフラの弟を追い出した。
実家にでも戻るとでも思っていたのだろう。
弟はそのままどこにも帰らなかった。
もちろん、兄のところにも。
兄のオナホを自分から止めた日だった。
必死で1人で生き延びていた。
働いたこともろくになく、他人相手では言葉がつかえてしまうのも変わりなかっみたけれど、逆にそれでも生き延びてみせた。
そして。
なんとか。
10年程かかって自分で居場所をみつけた。
生きていけると思えた。
そんな日々にまた突然兄が現れた。
「心配してた。やっとみつけた」と。
兄は人が変わったようで温厚で。
まるで普通の兄弟のように接してきて。
捨てきれなかった情もある。
それでも肉親なのだから。
家には絶対に入れなかったが、外でお茶くらいはした。
兄は家族に会わせたいと言ってきた。
子供がもう9歳になる、と。
家族として甥や兄の妻に会うのなら良いかと思った。
二人が居るところでなら、兄もおかしなことはしないだろうと。
確かにそうだった。
たた、予定外だったのは
生まれて初めて会った甥っ子が、何故か自分に懐いてきたことだった。
弟は。
甥に驚いた。
あまりにも兄に似ていた。
どこにも妻のDNAは感じられない。
幼い甥はいきなり弟に抱きついてきて。
弟から離れようとしなかった。
それにもっと驚いた。
兄以外には興味を持たれなかった自分に、こんなに懐くなんて。
今でも、言葉がつかえてしまうのもあって、人とはあまり打ち解けられない。
必要以上に人と仲良くなったことはない。
こんなに最初から、人が飛び込んできたことなんてなかった。
可愛くなってしまった。
一度だけ会って二度と会わないつもりだったのに。
別れ際に行かないでと泣かれて。
兄に形だけ教えたつもりの電話番号で、甥が遊びに来てくれと泣いて電話をかけてきて。
兄の妻にも懇願されて。
ついまた会いに行って。
何となく。
兄がいない頃を狙って、兄の家に行くようになった。
甥は。
とても可愛いかった。
兄と似ていて、でも、似ても似つかなかった。
兄のようにワガママだったけれど、暴君ではなく。
兄のように優秀だったけれど、それは完璧主義からくる狂気のようなものではなく、時にだらしない姿を平気に人に見せられた。
何より、自分を本当に好きなのが兄とは違った。
弟に好かれるためなら、甥はなんでもしたがった。
「オレのこと好き?ずっと好きでいて?どうやったらもっと好きになってくれる?」
そんなことをストレートに聞かれた。
可愛いすぎた。
兄は。
完璧主義の兄は。
妻と子にはあの暴君の顔を見せて無いのだ、と分かってホッとした。
妻の実家は強い力があるからだろうとは分かったけれど。
あんな扱いを受けるのは自分だけで良かったし、これからはあんな扱いを受けるつもりは無かった。
だから兄には近寄らなかった。
なのに。
ある日、妻ではなく兄が甥とその家にいた。
帰ろうとした。
だが。
兄は妻が帰ってくるから、と言った。
甥もいるし、と弟は家に入ってしまった。
だけど、兄は兄だった。
甥が隣りにいる部屋で弟を犯した。
甥にバレるぞ、というのが脅しだった。
やはりお前が最高だ。
お前の身体が一番いい
声を堪えて耐える弟を、兄は何度も犯した。
異変を感じてドアを叩いて、「開けて!!」と叫ぶ甥に気づかれることだけは嫌だった。
声を出さない弟を責めるのを兄はとことん楽しんだ。
歯を食いしばり、何度もイカされながら弟は声を最後まで出さなかった。
兄に支配され、教え込まれた身体は兄のやること全てに感じていたけれど。
でも。
声は出さなかった。
兄は弟の身体をよく知っていた。
だって教え込んだから。
そうなるようにしたから。
それを思い出させていた。
兄のペニスに身体は喜び、兄の指や舌に乳首は溶けて感じ、ペニスは震えてボタボタと精液を垂らし続けた。
中は淫らに兄に絡みつき何度も痙攣した。
でも。
絶対に声を出さなかった。
甥が泣いているから。
開けて、開けて、そこで酷いことをしないで、と泣いているから。
頭が煮える程感じても、声を出さなかった。
最後まで、一言も。
唇がキレて血を流していた。
「またしよう。お前だってこれが好きだろ?」
解放された時兄は言ったが、弟は返事をしなかった。
崩れ落ちた床から兄を見上げた。
醜い化け物がみえた。
フラフラと服だけをみにつけ、立ち上がり部屋を出ていく。
ドアの外で泣き疲れて眠る甥がいた。
気絶していた。
ドアを叩いていた小さな手から血が滲んでいた。
ここから出そうとしてくれていたのだ。
この世界でただ一人。
そんなことを思ってくれてた人がいた。
でも。
触らなかった。
自分は兄に汚されているから。
兄は自分の子供の様子にこれは不味いとおもったのか、なにも言わなかったし、それ以上弟を引き止めようとはしなかった。
そこからは。
兄にも甥にも。
二度と会わなかった。
また遠くへ逃げた。
そこから。
さらに10数年が過ぎた。
静かに暮らしていた。
田舎のホテルで働いている。
育ちの良さから所作が綺麗なので、ウェイターなどもするが小さなホテルなので基本なんでもする。
言葉が出ないからフロント以外をしている。
どうしても言葉が必要な時は持っているメモに書いて出す。
兄の家庭教師は優秀であったことは認めないといけない。
英語だけでなくフランス語もスペイン語もできるし、独学で中国語も学んだ。
このホテルは隠れた人気があるらしく、訪れる外国人も利用客は多いので筆談であっても役に立っている。
なんとか。
居場所をまた見つけた。
甥のことを考えると胸が痛い。
でも。
二度と会えなかった。
会えるわけがなかった。
「開けて!!何してるの!!ここを開けて!!」
泣き叫ぶ甥の声の中で、兄に何度もイカされたのだ。
兄の思うがままに。
会えるわけが無い。
こんな汚い自分が。
でも。
たった1人。
兄から自分を助けようとしてくれた存在。
忘れることなどなかった。
でも。
自分の淫らさを嫌悪した。
あんなに拒絶したはずの兄に、イき狂った自分が許せない。
しかもドアの外に甥がいたのに。
自慰すら拒んで生きていた。
静かに。
ここで、死んでいきたいと。
願ってた
でも。
その日、ホテルにやってきた客は。
甥だった。
兄にそっくりだった。
もう大人になってた。
制服のまま逃げた。
甥は追ってきた。
ホテルから逃げて、借りてる家の中に逃げ込んで。
甥はドアを叩いてくる。
あの時のように。
叫んだ。
止めてくれ。
もう許してくれ、と。
甥は諦めなかった。
窓を割ってでも、入ってきた。
「嫌だ!!」
甥は大人になったくせに、子供の泣き顔で言った。
そして。
弟を抱きしめた。
「会いたかった。ずっと会いたかった・・・」
と。
ホテルの仲間達が心配して来てくれたし、駐在の警官まで駆けつけたけれど、「甥」だと説明した。
窓まで割ったのは説明を難しくしたけれど、血の繋がりは一目瞭然で。
納得してもらった。
甥は。
ホテルではなくここに泊まると言ってきかなかった。
兄について聞くと甥は見せたことのない顔をした。
「二度とあなたを傷つけないよ」とだけ言った。
ホテルの予約の苗字が変わってたのは、偽名ではなく、兄と妻は離婚したとのことだった。
妻の実家の会社に兄の会社は吸収された、とは教えてくれた。
妻は再婚して、新しい夫との間に甥にとっての妹や弟が4人いるとも。
「幸せにやってるよ、お母さんは」
甥の言葉に安心した。
「見つけた。やっと見つけた」
甥は弟を抱きしめ、離さなかった。
甥は兄に似ていた。
身体の大きさもパーツも何もかも。
匂いも。
その匂いに包まれていたら身体がおかしくなった。
そうされてきたから。
久々に起こされた性欲に絶望する。
この汚い身体が嫌いなのに。
離して、と泣いた。
「愛してるからダメ」と言われた。
全部わかって追いかけてきたのだとは理解していた。
あのドアの向こうでなにがあったのかをもう知ってるのだ、分かったのだと。
その上で愛してると甥は言う。
馬鹿なことを。
そう、弟は言うしかない。
兄に犯されるおじへの奇妙な同情がそんなことを言わせているのだと思った。
「初めて会った日からあなたで抜いてる。初めての精通からあなただよ」
甥はとんでもないことを言う。
「全部知ってる、全部白状させた。あなたはオレが嫌だと思う。オレはアイツに似てるから。でも。オレにはあなただけ。最初からずっとあなただけ」
甥は子供みたいに泣きながら言う。
「アイツのことはもう心配しなくてもいいよ。二度とあなたに傷つけることはない」
甥は言う。
甥の身体の匂いに身体は反応してしまって。
それは兄の匂いで。
乳首が尖り、穴がひくついていて。
ぺニスが勃起してて。
「あなたの身体の反応は、虐待の結果の防衛本能だって分かってる。アイツが好きなわけでも、オレに反応してくれてるわけじゃないというのも。でも。オレに鎮めさせてくれない?オレは。誰ともしたことないから上手くやれないかもしれないけど」
甥はモゴモゴと言う。
童貞だと。
あなただけと決めていたから、と。
兄にこんなに似てるのに。
似ても似つかない。
兄は16くらいから実の弟を性処理道具にしていたのだから。
止めておけ、と弟は言った。
こんな呪われた血族関係。
お前だけは関わるな、と。
「無理。もう引き返せないんだよ」
甥は明るく笑ったから。
兄になにかしたのは分かった。
それが何なのか教えてくれる気もないことを。
強要はされなかった。
でも、愛してると繰り返されて。
陥落した。
仕方なかった。
愛されたことがなかったから、拒めなかった。
甥は兄と似ていて似ても似つかなかった。
性器の形も味まで似てるのに、行為だけは違った。
優しいセックスに困惑して、耽溺した。
優しく乳首を吸われて蕩ける感覚など初めてだった。
後ろを優しく解されて、ゆっくり挿れられ、馴染むまで待ってもらったことなどなかった。
兄のと同じ大きさで、兄のモノのように気持ち良いところに当たった。
ゆっくり動かれただけで、スイッチが入った。
兄さん、兄さん、とイク時に叫んでしまう。
仕方ない。
兄しか知らないし、そう教え込まれてきた。
「違うでしょ」
甥は何度も自分の名前を囁いていく。
記憶を書き換えるように。
いや。
書き換えるつもりなのだ。
兄そのものの身体を使って。
過去の行為すら消し去ろうとしてるのだ。
「なんで?」
こんな年上のしかもおじに。
弟は聞く。
甥の精液を初めて身体に受けながら。
そんなモノまで似ていて、初めての感覚とは思えない。
「一目惚れです。一生好き」
若者らしい言葉だったけれど、甥がここまで来るまでにしたことは、その執着の恐ろしさを示していた。
でも。
「愛してます。あなたを絶対に傷つけない」
そう繰り返されて。
されたことのない優しいセックスは、優しく、不器用なはずなのに弟を今までで1番狂わせる。
兄さん兄さん
叫ぶ度に、優しく名前を囁かれ訂正され、その名前を叫ぶ。
朝になる頃には。
その名前を叫ぶことを教え込まれていた。
「ごめんなさい、愛してます」
眠る前に甥に謝まられた意味が分からなかった。
謝るのは申し訳ないのはこっち。
愛してくれるなら、しがみついてしまう。
だって愛されたかった。
ずっとずっと。
弟は兄に犯されて以来なかった安らかな眠りについた。
眠る美しいおじを、見ながら甥は考える。
自分はあの男に似ているのだ、と。
あの男は最後の瞬間までおじに執着していた。
自分が代わりに幸せにすると笑ってやった時に見せた、あの怒りは本物だった。
でも、同じ執着を自分も持っている。
だが。
自分勝手なアイツは死んで当然だった。
母親の実家はあの男を消し去るのに力を貸してくれた。
あんな危うい男を生かしておくのは危険だから。
母の、そして家の名誉に関わる。
母とは、父親違いの弟や妹達とは必要以上に関わらないことを条件に手切れ金ももらった。
これでおじと静かにどこかで生きていけるだろう。
美しい、でも誰にも愛されたことのないおじは、自分を拒否出来ないとわかってた。
分かってて。
父親とは違う風にこの人を囲いこもう。
よく似ているからこそ、過去さえ改竄して見せよう。
この人を。
目に見えない優しい檻で閉じ込めて、自分から逃げようとは思わないようにしよう。
一目会ったその日から。そうしようと決めていた。
甥はおじを抱きしめる。
もう全部自分のもの。
おわり
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