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第1話※微

 大学を出てから中小でしがない社畜をやっている俺は、とてもじゃないが充実した毎日を送っているとは言えなかった。  要領が悪いのは学生の頃から何となく察していた。  だからお世辞にも仕事はできなくて、今日も上司に怒られた。  そんな弱った俺を励ましてくれる恋人もいない。  イケメンでもないし、中肉中背、オタクに寛容な社会になりつつはあるけれど、そこは男の性。  興味を示すのはもっぱらエロ方面の強い美少女ものじゃあ、そりゃモテないか。  そもそも合コンに呼ばれることもなければ、学生時代も社会人になっても大した人間関係を築いていないので、親しい友人もいない。  恋人は一応、欲しくはあるけど……ガツガツ女の子を探して回るような肉食系でもなし。  っていうか、そんな恋の駆け引きだとか俺みたいな地味男でも口説き落とせるテクニックだとか、面倒臭いにもほどがある。  なら彼女なんて要らないんじゃないか……ぶっちゃけ金かかるし、気は遣うだろうし。と、矛盾した考えも抱いている。  となると、溜まってる時は自分で自分を慰めることしかできない訳で。 「はぁーあ! 気持ち良かった! これで明日も頑張れ……る、よな……たぶん」  一人暮らしをいいことに、オナニーをしてそのまま下半身丸出しで寝るなんていう、他人が見たら完全に変態みたいな生活をしている。  しかし、その日の夜はなんだか寝苦しかった。  いつもは自慰をすればすっきりして眠れるというのに、なんだかずっと股間がもぞもぞ、ざわざわとして、違和感があるのだ。  抜き足りないような、けど明日の仕事に影響が出ないレベルにして脱力感のまま寝に入ったから、まだムラムラしていたとしても眠気の方が勝っていると思う。  今日のオカズのAVは観終わったし、ただでさえ社畜は疲労が蓄積してるんだ。

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