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サプライズなバースデー③*

「でも、その前にシャワーさせて」 「別に朝でも」 「夏だから! 汗かいてるんだよ!」  食い気味に言われた。 「璃央、首とか脇も舐めるし……汗の味とかしたり、臭かったら嫌だろ」 「清潔感は大事だけど、和真のなら全然気にならない。和真の体臭、むしろ興奮する。お前香水とかつけてないじゃん。そのまんまの匂い」  首もとに鼻を近づけて、スン、と息を吸いこむ。 「璃央って匂いフェチ……? どんどん璃央が変態っぽくなっていく……」 「お前のせいだ。誇っていいぞ」 「どこをどう誇ればいいんだよ! シャワー借ります!」  和真は身体を捻って、オレの腕の中から抜け出した。躱すのも上手くなりやがって……まあオレも一緒に行くんだけど。  脱衣所で服を脱ぐ姿まで、じっと見つめてしまう。へろへろで筋肉も全然ない、ペラい身体。見応えはないけど何度見ても飽きない。やっぱ好きって効果はでかい。  だんだん露出して見えてくる肌……これに毎回飽きずに興奮してる。やっぱりオレは変態になってしまったかもしれない。でも和真だってオレの裸見て毎回真っ赤になってるから、同じようなもんだろ。  和真の視線はオレの下半身に移る。 「勃つの早……」 「うるせーな。和真の裸見たら勃つようになってんだよ。かわいそうだと思うなら早くヤらせろ」 「ごめん、シャワー浴びるまでちょっと待って」 「むー……」  こういうとこは頑固だ。口を尖らせるオレを見た和真は「可愛い」って言いながらクスッと笑っていた。  誕生日だから(日付はもう変わってるけど)和真に頭を洗ってもらう。その力加減でさえも優しくて、和真だなあって思って嬉しくなる。 「璃央ってほんと猫っ毛というか、髪綺麗だよな」 「だろ。将来ハゲそうだけど」 「ハゲても璃央はかっこいいと思うよ」  どれだけ年とってもずっとお前のそばにいるからな。オレがハゲるまでオレのこと見てろよ。  さすがに重くて本人には言えねえけど…… 「てかさ、このシャンプーって高いやつ?」  シャワーでオレの頭を流しながら、和真が少し声を張り上げた。 「まあ、ドラッグストアの安売りのやつではない」 「やっぱり。いい匂いだけどちょっと使うの躊躇いあるんだよなぁ、もったいなくて」 「遠慮せずいっぱい使え。俺と同じ匂いになるだろ。次お前洗うぞ」 「え! 俺は自分でやるから……主役はゆっくりしてて」 「オレの誕生日なんだから、オレのやりたいようにさせろ!」 「横暴だ……」  風呂椅子に座らせると、和真の身がもじもじと縮こまる。こいつが何考えてんのかは分かる。和真の背中に手を滑らせていき、勃ち上がった乳首にツンと触れてやる。 「! り、璃央……触るの、洗ってからに……」 「んー?」 「可愛い子ぶるな! ちょ、待っ……、っ♡ やっぱこうなる~……っ!」  それからたっぷり乳首を責めて、和真の尻の準備も終わらせた。和真はすでにへとへとになってるし、その姿がかわいくてオレのちんこは爆発寸前だ。やっと風呂を出てどうにか身体は拭いたが髪を乾かす余裕なんてない。互いに素っ裸でベッドにもつれ込んで押し倒す……前に、またストップを出してきた。 「なんだよ、マジで限界なんだけど」 「だ、大事なやつだから、待って……」  和真は自分の荷物を漁りだす。スーツケースから取り出されたのは見覚えのある小箱。オレが和真の誕生日にプレゼントした指輪だ。いつもは和真の部屋に作られた祭壇?にあるやつだ。チェーンも一緒にあげて、身につけろって言っても、なくしたら嫌だから!の一点張りで祭壇に供えられているんだけど…… 「璃央から貰った指輪、持ってきた」 「お、陽の光を浴びたか」 「大切なもんだから絶対なくしたくないんだよ!」  そんな高い指輪でもないのに、わざわざ箱に入れて持ってきたのか。和真はそれを左手の薬指にはめた。 「その、これつけてシよ」  ぼんやり灯るベッドライトに照らされた和真の指で煌めく銀色の指輪。一瞬時が止まったかと思った。まさか、んなこと和真が言うなんて…… 「マ!?」 「え、もしかしておかしい!? 世の恋人はそんなことしない!? つける位置逆!?」 「ちが、そうじゃなくて、ちょっと……動揺して……」  つい、顔を手で覆う。ベッドに乗ってきた和真はオレの手をどかして覗き込んでくる。 「めっちゃ照れてるじゃん……喜んでる?」 「……そりゃ、そうだろ……」  好き。心臓が爆発しそうなぐらい嬉しい。わざわざオレの誕生日に合わせて家から引っ張り出してきて……こんな些細なことでこれだけ嬉しいなんて自分でも驚く。  思春期の中学生かよって思うけど、中学生で自覚して封印してたオレの恋はそこで止まっていたみたいなもんだ。それが今になって動き出したんだから、反応が幼くなってしまうのは仕方ない。そう、仕方ない。 「お前、なんでそんなオレを喜ばせんの上手いんだよ……」 「え、そうなの?」 「そうだよ。気づいてないのが余計タチ悪ぃ」 「それ言うなら、璃央だって。無意識でギャップ使いこなしてくるから、危うく尊死しそうになるし」 「どういうことだ?」 「うーん……どっちも同じこと思ってるってこと?」 「はは! なんだよそれ! 最高じゃん!」  嬉しい。和真と同じ気持ちでいられて、マジで嬉しい。何回噛みしめても嬉しい……!  和真をベッドに押し倒し、左手を重ねる。お揃いのオレの指輪は中指にある。いつもこの位置につけてんだけど……中指から外し、薬指に付け替えて再び手を重ねるとコツンと軽く指輪が音を立てた。 「うん、やっぱいいな」  プレゼントしてよかった。握った手を持ち上げて和真の指輪に軽く触れるキスを落とす。和真は「ひぇ……」と間抜けな声を絞り出して真っ赤になった。 「かっこよすぎだろぉ……」 「ったりめーだ。んじゃ、いちばんのプレゼント貰うぞ」 「もう過ぎちゃったけどな」 「細けえことはいいんだよ。延長戦ってことにしとけ」  和真の足を開き、ローションを穴に馴染ませる。くちゅくちゅと水音を立てていじってやると、甘い声が漏れる。合わせてオレの息子もさらに元気を増す。マジでここまでよく持ったと思う。 「はぁっ……挿れるぞ」 「ん、いいよ……」  ぺらい腰を掴む。ひくひくする穴に狙いを定め、腰を進める。ずぷずぷとちんこが飲み込まれていく…… 「んっ♡ ぐ、う~……♡」 「かずまぁ……♡ きもちいな……♡」  ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ 「あっ♡ はあっ♡ りおっ♡ りおぉ♡」  喘ぎながらオレの名前呼んでくるの、マジでかわいい……好きだ、和真……好きすぎて気持ちが昂ってたまらない。何回繋がろうと変わることなく、無限に好きで愛しい気持ちが溢れ続ける。喘ぎ声もかわいいし、脳が焼ける……! 「っ、べえ……でる……っ」  さすがに早すぎる。最近忙しくて和真に会えなかったのはあるけど、数回擦っただけで射精するとか早漏すぎてカッコ悪い……でもこれ無理、止めらんねえ……!  びゅ、びゅくびゅくっ♡♡♡ 「んあ、あ~~~~♡♡♡」 「っぐ……締まる……っ、かずまあ……っ♡」  オレがイった反動で和真も同時に射精した。まだ一回目だから勢いがある。  お互い息を切らした後、見つめあって同時に吹きだした。 「和真のせいでオレ早漏になったじゃねーか」 「俺もだよ……」 「お前以外とはヤらないし、早漏でもなんでもいいか」 「ん……そ、だな……」  照れて顔を隠す姿にまた心臓を掴まれる。和真のナカに入ったまま、再びオレのちんこは硬さを取り戻した。  ちょっと揶揄ってやりたくなって、腰を動かして和真の好きな前立腺をグリグリと刺激してやる。 「なんだよ、オレ以外とは絶対ヤらねーって、和真は誓ってくれねーの?」 「んあっ♡ そ、そこだめっ♡ うぐっ♡ はあっ♡ っあ♡」 「ま、絶対離してやらねえけど……♡」 「あ、あ♡ ちょ、またイっちゃ……♡♡ イ……っく、~~~~っ♡♡♡」  2回目。射精は少し勢いをなくしていた。これはこのまま潮吹きいけるな。イったあともナカをぎゅうっと締め付けてくるのがかわいいくて、身体を倒してキスをした。 「ん……っ、はぁ……りお……♡」 「なんだ?」 「俺も、りおとしか、ヤらない……」 「! おう! だよなあ!」  そう言ってくれるだろうと確信してたから、ちょっと意地悪に突いてやったんだけど……律儀に答えてくれるのが和真らしくて笑みがこぼれる。 「なあっ、かずま……」 「んっ♡ はぁっ……♡ な、に……っ♡」 「来年もこうやってオレの誕生日祝ってくれよ……?」 「う、ん……っ♡」  来年も再来年も、この先、死がふたりを分かつまで一緒に……なんて照れくさいセリフは口にできないけど、オレはずっと和真の隣にいるからな。だからお前も、一緒のことを考えてくれたらいいなって思う。 「は—……っ、はー……っ」 「っ……♡ あ……♡」  和真のナカから抜いて、まだビクビクと甘イキしてる和真を抱き寄せる。じわじわと火照る熱の中、和真の目が閉じかける。 「ごめ、寝ます……」 「いいよ、あとはやっとくから。気にせず寝ろ」 「ん……おやすみ……」  力尽きて目をつむった和真はすぐに寝息を立てた。まあ、突くたびに潮吹きしてたしな……無理させてるかなとか思うけど、和真がかわいすぎて抑えらんねえんだよなあ……自制できるようにしたいんだけど……いやでも和真だってねだってくるし……  しばらくほったらかしていたスマホを開くといつの間にか丑三つ時を過ぎている。誕生日祝いのメッセージがまだいっぱい届いてる。返すのはあとでいいか。今から和真の身体拭いて、シーツ変えて、もう一回シャワー浴びて……寝るころには空が明るくなってそうだ。明日の朝カフェに行ってコーヒー豆買おうって言ってたけど、起きれねえかも。  まあ、和真が起こしてくれるらいいや。明日も隣にいるんだから。  すやすやと静かに眠る和真の汗ばんだ頭を撫でた。

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