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#24 ナツキとレイ
「レイ様、着きましたよ」
「ありがとう、ナツキ」
ナツキの手を借りて馬車から降りるレイ。2人はグラジオス王国での晩餐会翌日の朝に出発し、自国へと戻ってきていた。隣国とはいえ馬車での移動では時間はかかる。自国へ着いた頃には、もう夕方になっていた。
「どうでしたか? 3年ぶりに弟さんに会えた感想は」
2人は城に戻ると、軽い夕食をとっていた。ナツキは外では付き人のように振る舞っているが、執事というわけではなく、城内での地位はレイと同等に扱われている。そのため同じテーブルで向かい合って食事をしていた。
「良かったよ。なんだか凄くホッとした。ナツキの予言のおかげで、すぐに会いに行けたからね。感謝するよ。ただ……」
「……やはり、心配ですか?」
レイの気持ちを見透かしたようにナツキは言う。
「ナツキ、心を読むのは……」
「今のは読んだわけではないですよ。そのような暗い表情をしていたら、誰でもそう思います」
しばらく沈黙が続く。
「私、ずっと弟と2人暮らしだったから……少しでも早くに亡くなった両親の代わりになりたいって、元の世界ではそればかりで……ミコトには幸せになってほしいんだ。ミコトの思うような幸せな生活を送ってほしい」
「それが、あの国では難しい、と」
「一番良いのは、元の世界に帰ることだね。ミコトもそう言っていたし」
レイがそう言うと、ナツキはおもむろに立ち上がった。
「レイ様は、帰りたいですか?」
「え? それは──」
言わせないといわんばかりの強さで、ナツキはレイにキスをした。
「んっ……ちょ、ナツキっ……」
「ぼくは、嫌だなぁ。帰っちゃうの」
ナツキの口調が変わった。硬直したレイの耳元で、低い声で続ける。
「あの弟くんはどうでも良いけど、ぼくはレイに全てを捧げてるんだ。君もそうだろ、ね? レイ」
「ナツキ、怒ってる……?」
「何に怒ってると思う? 当ててみてよ……考える暇があればね」
ナツキは怪しげに微笑んだ。
「あっ、ああっ、あっ!」
パンパンと激しく打ちつける音。
「くっ……はっ……」
ぐぐぐっとナツキに奥まで入れられて、レイは苦しげに声を漏らした。
「ねぇ、レイ、いっこ聞いていい?」
奥まで挿れていたものを限界まで引き抜きながら、ナツキは言う。
「なんで弟くんにぼくたちの関係、誤魔化してちゃんと言わなかったの?」
「それはっ……あっ!」
「ぼくたちこんなに愛し合ってるのに……ひどいよレイ」
ぱちゅっ ぱちゅっ
ナカの感触を楽しむように、緩やかに腰を振るナツキ。荒んだ目に見つめられ、レイはビクビクと身体を震わせたまま、何も言うことが出来ない。
「挙げ句の果てには、うちの城に連れて帰るだなんて……人が良すぎるんだよ、レイは」
「で、でも、お、おとうとっ、だからっ……」
ズル……
ナツキのものがゆっくりと抜かれる。レイの潤んだ瞳とナツキの目が合う。
「弟だから、何?」
冷たい声。ナツキはレイの喉に手をかけると、軽く力を入れる。
「か、はっ……」
「そんなのどーでも良いよ。レイは黙って、ぼくと一緒に気持ちよくなっていれば良いんだから」
レイの右頬を、下から上へ舐め上げる。
ゾクゾクと背筋が震える感覚を、身体が徐々に快楽へと変換していく。
「ふふっ、レイ、これされるの好きだよね。きもちい?」
ナツキは喉を締める手を緩めて、指でレイの口をこじ開ける。
「言って、気持ちい?」
「きもちい……ナツキ……もっと」
掠れた声で言うレイ。それを聞いて、満足そうに舌なめずりをするナツキ。
「レイは、元の世界と体の構造が変わっちゃってるもんね。この気持ちいいの覚えちゃったら、もう戻れないね」
とろりとした表情で、首を何度も縦に降るレイに、ナツキは自身のものを再びあてがう。
「いい子なレイは、ぼくがもっと気持ちよくしてあげるね──」
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