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第4話 秘儀の間
国王の命令に従い、アニマシオンは発情した熱い身体で、奥へと進む。
3つ目の扉がアニマシオンの前にあらわれ… アニマシオンは国王が見せられた手順で、びっしりと魔法文字が刻 まれた扉に触れ、金色に輝く解錠 の魔法陣を発動させる。
開いた内側にアニマシオンが入ると、扉は勝手にギギギギッ… と音を立てて閉じた。
「・・・・・・」
ずいぶんと広いな? ここが、“秘儀 の間”か?! それとも… もっと奥に、まだ扉があるのか?!
魔道具で照らされた薄暗い石造りの部屋は、上階にある“玉座 の間”と同じぐらいの広さがあり、アニマシオンは視線をあちら、こちらへと動かして観察した。
石壁、天井、石床… あらゆる場所に無数の魔法陣と、魔法文字が刻まれているのを見つける。
中には、古代文字らしきものを組み合わせた、見たことの無い魔法陣まであり… アニマシオンは、ここが“秘儀の間”だと確信する。
室内のどこかから、アニマシオンの耳にチョロチョロと水が流れる音が聞こえ…
「んん?」
音が聞こえる… 水の音…? こんな地下に?!
アニマシオンは耳をすませて、どこから水音が聞こえるのかを探す。
だが、水音の音源を見つける前に…
「お待ちしておりました、王太子殿下」
「・・・なっ?!」
誰だ?! 若い少年のような声だ?!
不意に声をかけられ、“秘儀の間”に自分以外の人間がいるとは、思わなかったアニマシオンは、ビクッ! と飛び跳 ねて驚き、声が聞こえたななめ後ろを振り返る。
オメガの少年が、水で濡れた白い裸体を布でぬぐいながら、歩いて来る姿がアニマシオンの視界に入り… まじまじとアニマシオンは少年の身体を熱心に見つめた。
「お… お見苦しい姿をお見せして、申し訳ありません… 絶対に“継承の儀式”を成功させたくて、殿下がいらっしゃる寸前まで聖水を浴びて、この身を清めていたのです」
アニマシオンの熱い視線に耐えきれず、少年は頬をピンクに染めて、うつむきながら言い訳をする。
「君は誰だ?! 何者なんだ?! “継承の儀式”だって?!」
どこが見苦しいのだ?! こっちは目が離せなくなっているのに… クソッ…! 私の身体が発情している時に、出会うなんて?! それも美しい裸体をさらすオメガに!! これは儀式ではなくて、何かの罰なのか?!
発情と興奮で、身体をブルブルと震わせながら… アニマシオンは目の前に立つ、オメガの少年を欲望に潤む瞳でにらみつけた。
……その瞬間、
ふわりとオメガの誘惑フェロモンが、アニマシオンまで流れて来て、少年も発情していることを知る。
よく見ると、濡れた身体をぬぐっていた布で隠しているが、少年の小さな男性器も元気に勃起 していた。
「まさか… 君も薬酒を飲まされているのか?!」
もう耐えられない! こんなものを見せられては… ああ、クソッ…! 私はこんな獣 では無いのに!! クソッ…!
増々、カァ―――ッ… と身体は熱くなり… アニマシオンの硬く張りつめ過ぎた性器がズキズキと痛み、我慢の限界を感じる。
「はい殿下…」
恥かしそうに顔をあげて、アニマシオンの問いに答える少年は、見ている者がゾクリッ… とするほど、艶 っぽい笑みを浮かべていた。
「・・・くっ!」
アニマシオンは吸い寄せられるように、ふらふらと少年近づき、細い肩を引き寄せて、夢中で唇に吸い付いた。
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