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第21話 その後2 ーENDー
アニマシオンは息子のリモンを連れて、王宮の地下にある歴代の国王と王族たちが眠る霊廟 へと行き、秘密の扉を開く。
成人の儀を済ませ、王太子となったリモンを、次代の大賢者と会わせるために、秘儀 の間へと進ませる。
万感 の思いで胸をいっぱいにして、アニマシオンは儀式用の神官服に身を包んだ、愛する妻カジェと2人で、逞 しく成長した息子の広い背中を見送った。
「もう、アニマシオンったら…! 黙ってあの子に媚薬入りの、赤いお酒を飲ませたのですか? 意地悪はしないと約束したのに、今夜はお仕置きが必要ですね?!」
カジェは隣に立つ、年を重ねて堂々とした風格をただよわせるアニマシオンを、子供のように叱 った。
「いや、カジェ… 黙って酒で媚薬を盛るのも、父と子の儀式みたいなものなんだ! これはけして、意地悪ではないぞ?! 本当だ!!」
「あのね、アニマシオン… 大賢者に嘘ついて、本当にバレないと思っているのですか?」
眉間にしわを寄せ、カジェはキッ… とアニマシオンをにらみつける。
「う゛う゛っ… す… すまないっ…! 本当に意地悪ではなくてだな、ちょっとした悪戯 をしかけただけなんだ! 謝るから、お仕置きは許してくれ! 今夜は初めてカジェと地上ですごす夜なんだぞ?! 頼むからお仕置きは止めてくれ! 私はすごく楽しみにしていたんだ!」
ぷんっ… ぷんっ… と腹を立てる美しい妻に、懇願 し詫 びを入れる国王陛下。
ー END ー
○ あとがき ○
ここまで読んで下さり、ありがとうございます(・´з`・)
このお話のα主人公アニマシオンは「初めて僕を抱いたのは~」でも、ちらりと登場しています。
初登場は「黒騎士はオメガの執事~」というバリバリのBLファンタジーでした。そちらのお話はファンタジー色が強過ぎて、fujossy様向きではないので投稿は断念しました。気になるようでしたら、アルファポリス様の方をのぞいてみてください。
また何処かでお会い出来れば幸いです☆彡
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