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第1話 幼馴染み
「んくっ……ん」
「暴れるな」
放課後の教室で2人はキスをしていた。
窓に面した壁よりで食い入るように男の唇を求めていた。
そしてずるずると床に座りまだキスをやめなかった。
「んっんっ」
ガリっと音がすると
唇の端からは血が流れ男はやっと口を離した。
「いってぇな」
「なお!! お前なんでまだこんなことするんだよ」
「はぁ? 見てて危ないからに決まってるだろ」
「……お前は俺の父ちゃんか!!」
「いや、一途な恋人だよ」
「……うわぁ……お前もうそういうの卒業しろよ」
「むしろ春樹が大人になれ」
立ち上がり頭にポンと手を置くとカバンを持ち教室から出て行った。
「ほら、行くぞ」
「……」
黙って俺も教室を出た。
隣を歩く黒髪の身長デカ男は幼馴染みの早瀬直 ヤクザの息子。
そして直曰く、小さい頃に結婚の約束をしていると俺は覚えてないんだけど。
ていうか男同士の結婚は日本じゃできないんじゃなかったけ??
よく分かんねぇ。
で、俺は早稲田春樹 いちをヤクザの息子、腹違いだからちょっと家族関係よくないんだけど、でも親父は俺に跡を継がせようとしてる。
その抗争に巻き込まれたりが最近困ったことに多い、で直がわりかしガードマンになってる。
早瀬のとこは同じ島の下組だから俺を気にかけてくれる、でもやってくることはセクハラまがいのこと。
まぁ実際に中学生の頃無理矢理だったけど入れられたしな……。
そこから直は俺に恋人みたいな視線を送ってくることが多くなった。
俺も気づいているけど……相手にしない。
でも今俺は違う人に恋してる。
それは
「あ、早稲田!! この前のテスト赤点って来週から居残りだからな」
きたきた、俺に食いついてくれる先生。
「えー先生やだ~~ 俺来週は忙しいんだ」
「忙しいとか関係ないんだよ!!」
「本田先生そうやっていつも怒ってると女子に嫌われちゃいますよ」
「お前!!それは関係ないだろ だいたい早瀬は勉強完璧なのにいつも一緒にいるお前はなんでそんな頭なんだ」
「ひでぇー先生」
「本田、なら俺が勉強教える、それでいいか?」
「あっちょ!! 先生に対して点数稼ぎとかずりぃ!!」
「先生をつけろ、まぁでも早瀬が見てくれるんならいいかもな、頑張れよ」
「はい」
「お前も良い子ぶりやがって!!」
20cm差の頭を叩こうにも残念ながら届かず背中を叩く形になった。
「ぶふっw」
「お前……覚えてろよ!!」
徒歩で登下校ができ、なおかつ商店街をくぐる。
「はぁー腹減った」
「なんか食う?」
「んーいや今日は俺ん家焼く肉するか食わない」
「へぇーいいな、俺も行きたい」
「ダメだ、敵が増える」
「……んじゃぁお前の横で今焼き肉棒でも食って帰ろ」
「ははっ俺は待たないからな」
といいその場で別れた。
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