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この世で一番ほしいプレゼント♡番外編 運命の人21
「もっ、無理でございます! アンドレア様の腰の動きが気持ちよすぎて、我慢ができません! ううっ!」
俺の躰を痛いくらいに抱き締め、勝手に絶頂したカールに、声をかけにくい。
「ううっ、イってしまいました……」
「だがカールにしては、かなり頑張ったと思うぞ。昨夜なんて三擦りで――」
「それをわざわざ口に出して、私を虐めないでください」
うらめしそうな顔をそのまま俺の躰を押しのけ、ベッドから腰をあげたカールは、深く頭を下げる。
「すぐに着替えてまいりますので、少々お待ちください。きちんと約束を果たします」
俺に顔を見られたくないのか、頭をあげるなり両手で顔を隠し、逃げるように寝室をあとにしたカール。両手を覆っている白手袋のせいで、頬の赤みが強く出ていることが、きっとわからないだろうな。
「そういう態度がいちいちかわいすぎて、好きが濃くなっていく。俺よりも年上なのに、なんなんだよ、アイツは」
ひとり取り残されたベッドの上。寂しく思う暇を与えない有能な執事兼恋人の所作に、胸を熱くさせて待ったのだった。
♡♡♡
(恥ずかしすぎる! 顔が熱くて堪らない。アンドレア様は褒めてくださったけれど、指定された回数まで我慢することができませんでした)
最初はこんなに早くなかった。専属執事として彼に付き従い、傍にいるうちにどんどん好きになった。好きという想いが膨れ上がるにつれ、性的な欲求も当然強くなる。
アンドレア様の立場上、いろんな方と交流しなければならないことは、頭ではわかっていた。あの素敵なお顔で微笑まれただけで、顔を赤らめさせる令嬢をどれだけ見てきたことか。
彼との結婚を夢見る彼女たちを目の当たりにして、妬かずにはいられなかった。アンドレア様に一番近い距離でいられる私は、彼女たちの知らない彼の顔を見ることができるという優越感だってあるのに。
そんなときはコッソリアンドレア様の寝室に入り込み、枕に顔をうずめて彼の香りを堪能しながら自慰をした。だがいつ呼ばれるかわからないゆえに、さっさと終えなければならない。
「その年月が積み重なった弊害が、今になって表れるとは、なんと悲しいことでしょうか」
愛しいアンドレア様と一緒にイケない自分――課せられた仕事と同時に、それをなんとかしなければならないことが、頭痛の種だった。
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