2 / 37

第146話 新たな関係性

(そばにいると想いが募る。タカヒロを愛しているんだ。それなのにミトを欲しがる自分の心を持て余す。)  ハジメはミトと一つ屋根の下に暮らすことが辛い。蛇の生殺しのようだ。それに気付かないロジではない。  朝起きて一目で昨夜の行為の激しさがわかるようなタカヒロだ。二人で風呂に入る。 「ハジメ、この頃激しいね。オレ身体が持たないよ。」  ハジメに甘えるタカヒロは幸せそうだった。 ハジメはその目に燃えるような炎を宿している。ロジにはわかる。その火が誰に向けられているのか、が。  ミトを抱きながらソファで優しく口づけしているロジを見る、苦痛に耐えているようなハジメの顔。ロジだけが気づいている。 「ハジメたち、朝ごはん何食べる?タカは? 僕、ロジにフレンチトースト作ってもらいたいな。」 ロジの膝で甘えてそんな事を言っている。 ミトを抱きながら 「みんなの分を作ろう。これだけは誰にも負けない自信があるぞ。」 ミトはロジの首に抱きついてキスしながら 「うん、後でお礼してあげる。」 二人だけに通じる言葉だ。赤くなったミトが可愛い。いつもフレンチトーストの後は、フレンチスタイルの口でするセックスがお礼なのだ。 「お礼って?何がいいの?」 何も知らないタカヒロが困った顔をしている。 「タカはいいの。ロジと僕のお約束、だから内緒。」 可愛らしいミトにハジメは奥歯を噛み締める。 (ああ、ミトを思いのままにしているロジが羨ましい。羨ましさを通り越して憎しみが湧いてくる。俺、ヤバいな。)

ともだちにシェアしよう!