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第147話 買い物
ハジメに肩を抱かれて、これも甘えているタカヒロ。その筋肉の太い腕を抱えて満足そうだ。
「今日は俺、ミトと買い物に行きたいんだ。
アウトレットに行きたい。タカの誕生日だろ。
ミトに選んでもらいたいんだ。」
突然、ハジメが言い出した。
ミトと二人になりたかった。無理矢理な口実を作ってミトを誘い出す。
「内緒にしてもタカは理由を聞くだろ。だからもう先に言ったけど、何を選ぶか、は内緒だよ。」
「わかった。楽しみに、留守番してるよ。」
「私も、一つ急ぎの原稿があるから、二人で留守番だな。」
(やった、ミトと二人になれる。
この機会を待っていたんだ。)
ハジメの瞳に暗い情念がまた火を付けた。ロジは心配しないのか?
ミトとハジメ、ちょっとしたドライブだった。
アウトレットモールではいろんな買い物をした。
ハジメはタカに革ジャンを買った。タカの好きなブランドのものがあったから。
ミトはタカの誕生日だというので綺麗なシルクのストールを買った。
「革ジャン着た時、首に巻くとカッコいいと思うよ。タカってスマートだから似合うよ。」
ロジや梅子さん、小鉄やジョーちゃんにもそれぞれ小さなプレゼントを買った。
「もう必要な物は揃ったな。ちょっと寄るところがあるんだ。ミトと一緒に。」
車はしばらく走って、ラブホテルに入った。
「えっ?ハジメ、ここってホテル?」
「そう、もう我慢が出来ないんだ。
ミトが欲しい。」
車のまま入れる個室のようだった。
「ハジメはタカを愛しているんでしょ?
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