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第181話 ロジが証言

 友也はネットでは、ミトとその周りの人間がいかに堕落しているか、いつも力説して来た。それに賛同する連中がいる。 「同性愛者は国を滅ぼす。男のくせに 身体を見せびらかすような宣伝も厳しく取り締まるべきだ。」  ネトウヨのそんな意見。思わぬところでミトをディスる意見が増えて来た。 (ミトが追い詰められて困った時は、僕の出番だ。助けに行くよ。僕だけのミト。) 勝手な思い込みはどんどん膨らむ。友也は、自分でも、ミトが好きなのか、嫌いなのか、理解できなくなっていた。  尊のアカウントを乗っ取って勝手な書き込みをしていることが、遂にたどられてしまった。警察は特定できるらしい。まず、尊が呼ばれて厳しい事情聴取をされた。次に尊の研究室のロジャー五十嵐が参考人として呼ばれた。  ロジャー先生は落ち着きのあるどっしりした態度で終始、尊を信じた。 「大体、こんなに簡単にたどれる人間が、書き込みをした犯人とは思えない。  あまりにも幼稚だ。尊とウチのミトは以前からの友人なんだ。  尊の面倒を見ている沼田レイモン氏に訊いて見てくれ。  尊は頭のいい学生だし、あらゆる事に用意周到な奴だ。簡単に乗っ取られる研究用のパソコンに プライベートな事を書いたり漏出させたりはしないはずた。」  沼田レイモンも事情を訊かれた。レイモンはサドの王、と言われているが本業は著名な作家である。警察にもよく知られている。サディズムをテーマにした耽美的な小説を書いて、根強い人気を誇る。  

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