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第180話 友也
「ロジ先生は何も悪い事はしてないよ。みんな面白おかしく膨らますのは辞めようよ。」
賢明な女の子たちの後ろで友也はほくそ笑んだ。
(凄い。今まで知らなかった情報が一気に手に入った。ミトはきっと囚われの身なんだ。
何でも持ってるロジ先生にがんじがらめにされているはずだ。)
大いなる勘違い、をしている友也は、ネットを使ってシャレにならない書き込みを続けていった。ネットの悪意は、自殺者だって出してしまう。些細な事、と見過ごすわけにはいかない。
友也は、その危険性に気付いていなかった。
友也は、一人になってまたネットへ書き込みを始めた。
もしも、ミトが自分の存在を知ったら?というお気に入りのラブストーリー。いつも妄想してどんどん膨らむ愛のお話。
『ある日、偶然ミトに出会う。
僕たちは一目でお互いがわかったんだ。運命の人。
ミトには一緒に暮らす相手がいるけど、それは不幸せなことなんだ。
本当に好きな相手ではないけれど、生きるために我慢している。
ミトはいつかきっと巡り逢える運命の人を待っている。
その人に出会えたら、何もかも捨ててその胸に飛び込んでいきたいと、いつも思っている。
そして僕と出会うんだ。二人で愛し合う。
でもミトを縛る男が、しつこく、ミトを手放さない。』
(この後、どういう展開にしたらいいかな。相手を殺す、とか。)
友也は、自分の妄想の中で次第に狂っていくのか?
ミトを思うとつらくて仕方がない。
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