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11/21 ハゲイトウ
花言葉 不老不死
人はなぜ不老不死を願うのか
どれだけ月日を経ても老いず何があっても死なない身体
短い人生を生きる生物にとっては憧れて当然なのかもしれない
しかし、不老不死を得てしまったものはその短い人生を羨む
短いなりに必死に生きてそれぞれの色をつけ人生というものを謳歌しているように見えるからだ
老いもせず死にもしないと生きていることも億劫になってくる。ただただ流れる時間に身を委ねているだけ、生きている意味なんてとうの昔に見失った
最後に他人と深く関わったのはどれくらい前だろう。よく思い出せないほどだ
最後は置いていかれるのだから、寂しいなんて思うくらいなら最初から関わらなければいい
それなのに
「よ!兄ちゃん!今日も遊びに来たぜー!」
「そうか、帰れ」
「やだねー!今きたばっかだし帰るわけねーじゃん!あ、そうだ。これお土産のクッキー!俺が焼いたんだぜ!すごくね!?」
最近うるさいガキに付き纏われている。
「今日はなんのゲームしよっかなー!」
始まりは俺の気まぐれからだった。夜中の公園に1人でいたところをみかねて保護したのだ。
このガキはおそらく親から放置されていたのだと思う。身体に傷はないから虐待までは行っていないのだろうが…家に帰りたがらなかったから役所に連れていったのだが、その後保護施設に入居したらしい
そこで大人しくしていればいいものをことあるごとに抜け出してうちに来るようになった
まだ成人していない子どもを放置するわけにもいかず施設の大人が来るまでうちで面倒みることに…だんだん施設の方も慣れてきたのか、むしろこいつがうちに行くのを後押ししているような気すらする
面倒見てくれる大人認定されたのだろう
非常に不本意である
なるたけ他人と関わりなど持ちたくなかったのに…
「兄ちゃん?どうしたー?」
「………はぁ。なんでもない。ほらゲームするんだろ。早く選べ」
「そうなのか?ならいいけど、じゃーえっとーこれにする!!」
「よし、じゃあ俺が勝ったら即座に帰れ。わかったな」
「はぁ?!そんなのズルじゃん!引きこもりのゲーマーに勝てるわけないじゃん!!」
「あん?だーれが引き込もりのニートオタクゲーマーだってぇ?」
「いや、そこまでは言ってない」
「よし、決めた。ボッコボコにしてやんよ。覚悟しやがれクソガキ!!!」
「クソガキ言うな!俺ももうすぐ高校生だ!!大人だっての!」
「はっ学校行ってるうちはガキだっつーの。独り立ちしてから大口叩きな。ク ソ ガ キ」
「きぃぃいい!!!バカにしやがったな!!ぜってー見返してやる!立派な大人になってニートの兄ちゃん養えるくらい稼いでやる!!!」
「やれるもんならやってみな。もしほんとにそうなったらお前に養われてやるよ。あ、クッキーうまい」
「……言ったな?言質とったからな!!大人になったら俺と結婚しろよ?!」
「あーはいは、、は??今なんつった?!」
「だから、俺が兄ちゃんのこと養えるようになったら嫁になれって言ったんだよ」
「はぁぁぁぁ?!?!」
「養われてやるって言ったからな!今更なしとかはなしだからな!!」
関わるつもりなんてなかったのに…
大事な人間ができてしまいそうな予感
長らく感じていなかったこのヘンテコな感情に今後大いに振り回されることになろうとは、この時は思いもしていなかった
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