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11/20 ツワブキ

花言葉 愛よ甦れ 謙譲 同窓会で久しぶりに再開して盛り上がってワンナイトなんて空想上のことで現実で起きるなんて微塵も思っていなかった。 そもそもこれまでの人生非モテインキャオタクでずっと過ごしてきたし万に一つも自分にそんなことがあるはずないと そう、思っていた。 朝知らないホテルのベッドで目が覚めるまでは…しかもお約束で同窓会の後の記憶がまっっったくない 「夢でもみてんのかな……」 自分で頬をつねる 「いてぇ」 しっかり現実らしい。色々と信じられないことが起こっていることは理解したが、どうしても理解できない、というか、したくないことが一つ それは…… 「なんで、よりにもよって男なんだ…」 しかも、俺とは縁遠いいわゆる一軍のイケメン男子というやつだ。 すやすや気持ちよさそうに寝やがって…寝顔までイケメンとかまじイケメン滅びろ。 「てか、なんか見覚えが………げ、こいつまさか」 思い出した、今隣で眠っているこのイケメン、俺らインキャオタクグループのことをいじりにきてたいけすかないイケメン軍団の一人だ。たしか、メインのメンツが俺らのことを馬鹿にしているのを遠巻きでみて、睨んで来てたな…… 「なんで、こんなやつと……」 頭を抱えて絶望しているとのそりと隣で動く気配 「……くぁ」 「げっ」 うだうだしていたら悩みの元凶が起きてしまった 「…なんだよ、その反応」 「あっいや、あの、その、えと」 イケメンに凄まれたらクソインキャムーブかましますよそりゃ 「……まぁいいや。とりあえず…」 ちゅっと軽いリップ音を立てて唇同士が触れ合った 「はっ?!え?!なに?!?!」 「ははっうるさ。何今更キスくらいで動揺してんの?昨日の夜あんなことまでしたのに」 「なななななにをししししたって?!?」 ニヤリと笑いながらこちらを見つめる目の前の男に思いっきりどもる。くそ!イケメンの直射は目に毒すぎる!!! いや!待てよ。ただのこけおどしかもしれない。何よりこういう時のお約束みたいに腰が痛くなったりはしていない!!なってないよな?! 腰付近をペタペタ触って異常がないか確認する 「なにしてんの?」 「いや、俺の処女の確認を…」 「???」 なぜかぽかんとするイケメン。でその後すぐに理解したらしく盛大に吹き出した 「あっはははは!大丈夫だよ。まだ処女だから安心して。ていうか、処女奪われたのはオレのほうだし」 「なーんだ。そりゃよかっ、、た、、、????はぁぁぁあああああ?!?!?!」 「ふははっいやぁ、最高だったよ?めちゃくちゃドロドロにされちゃったもん。あーあと、気持ち良すぎて腰振りながら泣いてる君もさいっこうだったなぁ」 恍惚とした表情を浮かべるイケメン。まじでか、、俺が襲った側なのか…いや、どういうことだ。意味がわからん。ていうか、分かりたくない。 「昔からさ、君の泣くのを我慢してる顔とか苦しそうにしてる表情見るのが大好きでさぁ。こう、ゾクゾクするっていうの?そうそう、あんなバカどもとつるんでたのも君がいじられてるの見るためだったんだよ?ずっと遠くで見てるだけでよかったんだけど高校卒業して君がいなくなって気がついたんだよね。あ、オレって君のことが好きだったんだって。ゾクゾクしてたのもきっと好きだからなんだってわかったんだ」 何、言ってんだ、こいつ…怖いんだが 「だからさ!昨日同窓会で見つけた時はもう運命だと思ったよね!今度はオレが自分の手で君を泣かせてみたいって思ってたから、こんなチャンス逃すわけには行かないって!だから、酔った君を介抱するフリしてここに連れてきたってわけ」 「へ、へぇ……」 怖い怖い怖い怖い!!逃げたいけど身体が硬直して動けない。というか逃げられるわけがない 「最初はオレがドロドロになるまで犯してやろうと思ってたんだけどさ。君って酔うとすごい雄になるんだね。部屋に着くなりオレのこと押し倒して……ふふ、ふふふふふ。ほんと、サイコーだったなぁ」 「…………」 「だから、ね?ちゃんと責任とってよ?」 「いや…「あ?嫌とか言ったら犯す」じゃないです!よろしくお願いします!!!」 「うん!よろしくね!」 終わった…さよなら俺のこれから先にあったはずであろう華やかな人生… これからはこのイケメンの歪んだ愛をなんとかいなしながら生きていかねばならないなんて… 「愛っていつかは成就するものなんだねぇ」 「ソ、ソウダナ、ハハハ」 ホテルの部屋に乾いた笑いが虚しく反響した

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