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11/23 ストレリチア

花言葉 気取った恋 全てを手に入れる 寛容 「悠久の時を紡ぐ焔よ!立ちはだかる敵を屠れ!!エンシェントフレアバースト!!!」 グギャァァァアア 目の前で自分よりも大きいモンスターが炎に包まれて消滅する 「……よし、ここのダンジョンもクリアっと」 ボスエネミーも手こずるほどではなかったなぁ 何人も討伐を断念して帰還してきたって聞いてたけど。まぁ仲良しごっこで群れてるような連中だとそんなもんか 結局信じられるのは自分だけ…ソロ攻略こそ至高 討伐の証明になるアイテムを拾って、脱出用の転送魔法を使用する。眩しい光に包まれて次に目を開けるとダンジョンの入り口だ 「さて、ギルドに戻って報告しないとな」 ダンジョンに背を向け街に戻ろうと踵を返す ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎ 「ええ?!ほ、本当に1人で討伐されたんですか?!?!」 「ああ、戦利品もある」 驚くギルドスタッフに戦利品を渡して確認させる 「……間違いない、ですね。少々お待ちください。マスターへの報告と報奨金の準備をして参ります」 スタッフが奥の部屋へとドロップアイテムを持ち消えていった にしても、さっきからギルド内がざわついていて喧しい。いい声だけでなく悪い話も聞こえてくる。 ソロで行動してるとやっかまれることもあったりするし、まぁ別になんとも思わないけど。 騒々しい奴らだなと無視していると、その中からニコニコとこっちに寄ってくる男が1人 「お!いたいたー!よっ、ボッチ魔術師くん!」 「………」 「おーい。無視するなよ」 「………」 「なーぁー!」 このうるさい剣士は事あるごとに絡んでくるめんどくさいやつだ お互いソロで行動しているが一回だけダンジョン内で仕方なく、本当に仕方なく共闘したことがある。それ以降会うたびにチームを組まないかと誘ってくるようになってしまった 「なぁってばー。返事くらいしてくれてもいいじゃんか。ていうか、そろそろ俺と一緒になろうよー!前にやったときはお互いにめっちゃ気持ちよかったじゃん!」 「だから!!その誤解を生む言い方をやめろ!!殺すぞ!!」 「お、やっとこっち向いたな」 「うるさい。あっち行け」 「やだね!パーティ組んでくれるまで諦めねぇから」 「俺はソロでいい。誰とも組まない」 そう、あの時は本当に血迷っただけだ。自分と同じソロ探索者に会えてテンションが上がったのだ まぁ、こいつはソロ"メイン"ってだけで誘われればいろんなやつとパーティ組んでダンジョンや依頼をこなしているようだけれど 「ソロって不便なこともあるでしょ?特に近距離戦闘になったら危なくない?」 「心配されなくても問題ない。転移魔法も使えるし、近づかれる前に倒せばいい」 「み、見えない敵とかもいる「探索魔法と防護魔法で対応できる」バフの心得もある、と」 当たり前だ、ソロでやるってことは数的不利からくるいろんな不安要素を潰していくことが大事なんだ。なんなら、近接戦闘だって多少できる。不毛なやり取りをしていたら奥の部屋からスタッフが戻ってきた 「お待たせしました!討伐証明書と報奨金の準備ができました」 「ほら、こっちは忙しいんだ。とっととどっか行けか 「ちぇ。ほんとつれないなあ…でも!絶対パーティ組むって言わせるから!」 うるさいのがようやく去っていった。はぁと息を吐く 「あれ、どうされました?お顔が真っ赤ですよ?大丈夫ですか」 「………大丈夫だ。それより、報酬を」 「あっ!はい!」 今日もバレなくてよかった…… アイツとパーティなんか組んだら戦闘に集中できなくていろんな意味で心臓が止まる未来しか見えない これからも絶対了承するわけにはいかないのだ

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