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12/16 クリスマスホーリー
花言葉 将来の見通し 神を信じます
クリスマスが近づき街が華やかなネオンや騒がしい人々の声で活気付きはじめる
煌びやかな世界は独り身の自分には縁遠いものだからそそくさとスーパーに寄ってから自宅に帰るだけ
まぁ好物のフライドチキンやらケーキやらがたくさん店先に並ぶのは嬉しいことこの上ないから是非これからも盛り上がっていてほしくはある
今年も例年の様に過ごす予定だった。そう、その予定だったのだ
1人暮らしのアパート。誰もいるはずのない自宅に光が灯されている。しかも蛍光灯の灯りではなく揺らめく火の様な光。
「またやってるよ…」
呆れながら玄関の扉を開け中に入る
電気の付いていない部屋で蝋燭を円形に並べてその真ん中にフライドチキンを置き、膝立ちで両手を組み祈りを捧げるような振る舞いをしている男が1人
「おお、神よ。本日の供物でございます。どうぞお納めください。そしてどうか、我が願いを」
「おい、その不気味な儀式を今すぐやめろ。そして、俺の楽しみにしてたチキンを勝手に供物にすんな」
供物にされていたフライドチキンを救い出し電気をつける
儀式を中断された男はわなわなと震えだした
「……き、きさまぁぁあああああ!!!!今日も今日とて邪魔してくれたなぁぁぁあ!!!もうすぐで神が我が願いを聞き届けてくださったというのにぃいいいい!!!」
「うるせぇ。どこの世界にフライドチキンを所望する神がいるんだ。邪神かなんかか」
「邪神だと?!貴様!不敬だぞ!!我らが信奉する神は邪神などではない!!ただ供物は肉が良いとされているだけだ。本来なら生きた動物か新鮮な血の滴る臓物が「やっぱ、邪神だろ」ちがわい!!ただ、願いを叶えるためにの代償に生命力が必要なだけだ!!」
「代償が生々しすぎんだよ。明らかに邪悪な方のものを呼び出すための供物にしか聞こえんわ」
「違うもん!我らが神はそんなんじゃないもん!」
駄々をこねる子どもの様に床に身体を投げ出しジタバタとし始める
「あーはいはい。わかったわかった。それよか飯にするぞ」
「違うんだもん…邪神じゃないもん…」
「今日はカレーだぞ。あ、さっき供物にしてたチキン、アルミホイルしいてトースターに入れといてくれよ。食べる前にあっためるから」
「……はーい」
まだぶつぶつと何か言ってはいるがのそりと立ち上がり言ったように準備をし始めてくれる
なんだかんだ言いながら手伝いはしてくれるんだよな
少し前に急に部屋に現れた天から落ちた神の使いを名乗るこの男との共同生活も段々と何気ない日常になってきている
曰く神に願いが届き天に戻る時がそのうちに来るそうだが
「ま、まだまだ帰れそうにはないから面倒みてやんないとな」
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