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0.01の距離 42
「ま゛、ご……ちゃ……」
ひくり としようとしていないのに勝手にお腹の筋肉が引き攣る。
ナカにあるまこちゃんのをきゅうきゅうと締め付けて、その中にある精液が欲しいって本能が叫んだ。
「ナカ ナカちょうだ 」
「っ 、まだ、だめって っ」
歯をぎりぎりと鳴らしながらまこちゃんの手が伸びてオレの腕を掴む。
まだ緊急抑制剤が効いているのか顔は青いけど、ふわりと鼻先にまこちゃんのフェロモンが微かに漂う。
「ふぁ ぃー匂い……」
スンスン と鼻を鳴らして、ついそちらに体を傾げると、まこちゃんの大きな手が肩を掴んで引っ張った。
まだまこちゃんのがナカにいるのに、ぐりんって上下ひっくり返されて……
「やっ抜けちゃうっ」
「そんな短小じゃねぇよ」
ふぅふぅと荒い息を吐きながらまこちゃんはオレに覆い被さって、さっき扉をへし折った手をオレにかざす。
凶悪さで言うならあの男達よりも怖いはずなのに、目の前で見せられてもちっとも怖くない。
そんな大きな手がオレの顔を包み込んで、ぎゅっと縋るように身を寄せてくる。
お腹のナカはジンジンしてるし、アナの入り口はキュンキュンしてるし、胸の中はぎゅーってぎゅーって絞られてるみたいに苦しいし、……でも今まこちゃんと繋がってるんだってわかるし、体の重みが感じられるしで、幸せだ。
まこちゃんの熱でとろとろと蕩けてしまいそうなほど満たされて……
「出す 前に、噛ませてくれ」
「 っ」
鼻先が首筋を探すように髪の中をさまよう。
耳たぶを甘噛みされながら「番になってくれ」って囁かれたら、はっきりと返事をした。
「だめ」
一瞬ぴくって手に力が込められて、「あ?」と見開かれた目が覗き込んでくる。
「おま なんで……俺、精いっぱい 」
ナニが入ってて、さぁ噛むぞって時に言う言葉じゃないのはわかってるけど、でもダメなものはダメだ。
「まだ、何も聞いてないよ」
「はぁ?」
つん と唇を尖らせて視線をまこちゃんから外してやると、強い力で引き戻される。
視界一面、粗い造りのイケメンでいっぱいになって……
「なんで噛みたいのか、聞いてない」
「あ゛ー……ミント、大好きだから。俺の番はお前以外いないから、噛ませてください」
ねだるように肉厚の唇がちゅっちゅちゅっちゅキスをしてくる。
「俺だけのオメガになって」
まぶたにもキスされて……甘えるような口調に胸がぎゅって音を立てた。
腕を首に回して引き寄せて、キスに応える合間に「うん」って答えるとまこちゃんがへにゃへにゃの笑顔を見せてくれるから、オレはやっぱり幸せだ。
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