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モザイク仕立ての果実 53
「そのままだと、せっかく入れた精液が流れ出しちゃうでしょ?」
人畜無害そうないい笑顔で言いながら、喜多は僕を抱き締めてお尻を触り……それからその黒いものを喜多の精液で溢れかえったソコへ押し付ける。
そうすると紡錘形の先端がぬとー……とゆっくり体内に埋め込まれて。
「少しでも早くアルファ部分を消せるように、いっぱい吸収しないとだからね」
「ヒェッ⁉︎ これって栓⁉︎」
「アナルプラグだよ、精液が出てっちゃうのを止めてくれるよ。少しでも早く完璧なオメガになるためにはこれくらい必要だよね」
大慌てでそれを抜こうとしてたけれど、こう言われてしまうと僕は黙ってそれを装着するしかなくなる。
「それでも隙間から溢れていくだろうから、きちんと毎日追加してあげるから、安心しててね」
満面の笑みで喜多は言うと、やっと腕を離して僕を送り出してくれた。
今日の検査でα部分がΩになっていたらいいなって思いながら、僕は喜多に向かって行ってきますって手を振った。
◆ ◆ ◆
巳波が、体に突っ込まれた異物のためにマンションの下をそろりそろりと歩いているのを確認してから、俺はコードレスイヤホンをつけて皿洗いに向かう。
今朝はパンケーキを焼いてウィンナーとフルーツサラダ、それからヨーグルトと野菜ジュースを食卓に並べた。
けれど、ウインナー以外のタンパク質も摂らせるべきだったかと、ふと手を止めて考える。
「夜に増やそうかな……でも、朝に複数のタンパク質を摂るのがいいらしいしな」
スポンジの泡を立てたところで、耳に『あ 』と小さな声が聞こえてきた。
皿を取りながら視線を側に置いた携帯電話にやると、白い体が闇の中で寝返りを打つ。
その体に手を伸ばして、ゆっくりゆっくり触れていくのは自分の手だ。
肌には触れない。
けれどやんわりと産毛を撫でるようにして体の上を伝う動きは、焦ったく巳波を感じさせていく。
『ぅ、あ ン、 』と濡れた声が耳を打つ。
画面の中の自分は巳波の体の至る所に触れるようで触れない愛撫を繰り返し、そっと服を脱がして眠ったままの体を堪能する。
編集される前の映像は、自分がどのように巳波に触れているかをつぶさに捉えていた。
「定点カメラだと撮れる部分が固定されるのが問題だな」
小さくごちながら、耳をくすぐる巳波の声に反応した下半身をキッチンに緩やかに押し付けて揺さぶった。
画面の中の巳波は抵抗もせず、従順に体を投げ出したまま深い眠りについているようでピクリともしないままだ。けれど体は自分の与える柔らかな快感を拾い、小さく喘ぎを繰り返しては緩くチ〇コを勃たせ、奥を見せるかのように足を広げてくる。
それでも巳波は目を開けず、最奥に息を吹きかけられるままに喘ぎ声を漏らして……
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